玉木雄一郎代表(オンライン)記者会見

2020年5月13日(水)14時50分~15時08分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/oHFLxh7cDrI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○野党党首会談 検察庁法改正案の対応について確認

【代表】
 先ほど野党党首会談を行いました。
 検察庁法改正についての意識合わせというか、午前中、我が党の後藤祐一委員の質問で委員会審議がとまっております。そもそも、この法案は検察の中立性・独立性を著しく害するおそれがあって非常に問題だということで指摘をしましたが、特にきょう後藤委員が質問した、定年の延長、特に役職(定年)の延長を認める際の基準が今の時点で全く白紙ということが明らかになって、こんなことではとても認めるわけにはいかないということで、今、審議がとまっております。
 きょう党首会談では、やはり法案の修正、国家公務員法(改正案)の中で検察庁法について触れている、特にこの定年の延長、役職(定年)延長について触れているところについて削除、切り離しの上、審議を行うことを強く求めていくことを野党間で合意いたしました。これがまず一点です。

○新型肺炎 「緊急事態宣言を一部解除」政府方針について

【代表】
 あすにも「緊急事態宣言」が一部解除になるということになっていますが、国会でもお願いしましたが、やはりわかりやすい基準をしっかり示してもらいたい。そうでなければ、第2波・第3波が発生する可能性がありますので、単に緩めるだけではだめだということで、しっかりとした基準を示してもらいたいということを強く求めたいと思います。

○新型肺炎 速やかな追加経済対策の必要性について

【代表】
 経済対策については、これは本当にもう早急にやらなければいけないと思います。補正予算については今月中に編成をして来月から新たな支給ができるような、そんなタイミングでやらなければいけないと思っています。その意味では早く、政府・与野党連絡協議会の枠組みなどを通じて我々野党側の意見もしっかり聞いていただきたい。特に家賃の支払いを支援する法案と学生支援法案については我々早くから法案をつくっていますので、これをベースにぜひ与党の皆さんにもご協力をいただきたいと思います。
 特に持続化給付金については、国会でも取り上げました。特に私が三つ指摘をしたのは、50%以上収入が落ち込まないと対象にならない、そして前年度の売り上げの記録がなければ対象にならない、そしてフリーランスの方などが雑所得や給与所得で申告している場合にもらえないということについて、梶山経産大臣は今週中にも考え方をまとめて発表するとおっしゃっているので、この持続化給付金の要件緩和と、そして増額ということで、速やかに対応してもらいたいと思います。
 家賃についても、雇用調整助成金でなかなか払われないということも、もうこれ緊急措置として、実は今一番速やかに振り込めるのは持続化給付金ですから、これを大幅に拡充して要件緩和して金額をふやしてやれば、かなりの、倒れそうになっている人や企業を助けることができると思いますので、この持続化給付金について大幅な拡充を求めていきたいと思います。

○河井前法相「立件に向け捜査」報道について

【代表】
 河井前法務大臣が立件へという報道が出ていますが、まだ確定しておりませんが、ただ、広島県内の地方議員や首長さんに金銭を渡していたことは受領した側が認めていますので、ここは事実が確定しているのだろうと思います。ですから、これだけの疑惑について何ら説明責任を果たしておりませんので、本人の説明責任を求めるとともに、その巨額のお金は自民党から、あるいは官邸から渡ったという、そういううわさもあるわけですから、総理、そして自民党総裁として、安倍総理にもしっかりとした説明責任を果たしていただくように強く求めていきたいと思います。


■質疑

○検察庁法改正案について(1)

【朝日新聞・山下記者】
 冒頭おっしゃった、検察官の定年延長について伺いたい。与党としては今のところ今週中の衆院通過、今国会での法案成立を目指しているが、それも踏まえて、野党は徹底抗戦ということだと思うが、今後の対応方針をもう少し詳しくと、内閣委員会が今とまっているが、どういう条件があれば審議復帰するのか、その点を伺いたい。

【代表】
 内閣委員会の細かいところは、きょうとまりましたから、ちゃんと答えるということに尽きると思います。特に役職定年の延長を認める際の明確な基準ということを説明しない限りは、ただでさえその独立性が害されると言っているわけですから、それを例外的に認めるときの客観的な条件ということは示さないとこれ以上審議には応じられないというのは当然だと思います。
 繰り返しになりますが、我々として、検察官も含めた公務員の退職年齢の引き上げについては、この高齢化時代の中で認めていいと思います。賛成です。だから、検察官の役職定年の延長と、本来なら客観的に、年齢という最も客観的なところで退職をこれまで決めてきた、そのルールを内閣や大臣の裁量によって延長できる、この役職定年の延長規定のところを法案から削除すれば我々としては賛成できます。

【朝日新聞・山下記者】
 野党側が求めている削除・修正だが、与党側の今の反応はどういう状況か。

【代表】
 今のところはまだ何の返事もありませんから、引き続き、まずは現場レベルで与野党協議をしっかりやってもらいたいと思います。
 ただ、これは2022年4月の施行ですから、2年後に施行なので、そもそも今急いでやる必要は全くないわけです。(新型)コロナに全力を挙げるときに何をやっているんだということです。不要不急のことは控えてくださいと国民の皆さんにお願いしているのに、2年後施行の法案を急いでやることこそ最大の不要不急ではないかと思いますし、中身も筋が悪いし、やり方もたちが悪いということだと思います。

【朝日新聞・山下記者】
 急ぐ必要は全くないということだったが、それでも政権としてこの検察官の定年延長を急ぐ理由というは、代表はどう見られているか。

【代表】
 どさくさ紛れにやりたいということに尽きると思います。あした「緊急事態宣言」の解除という大きなビックニュースがありますから、まさかそれに紛れて、あしたは内閣委員会の予備日なのですが、まさかそんなところに隠れて、皆さんの報道の量がほとんど「緊急事態宣言」の解除にいくすき間を狙って、どうせ採決を強行するのであればほかにニュースがあるところにやろうなんていうことを考えているとしたら、それはもう著しく民主主義を愚弄したような行為なので絶対にやってはならないと思いますが、だからこそやってくるのではないかということを警戒感を持ってしっかりと見つめていきたいと思います。

○新型肺炎 「政府・与野党連絡協議会」「都知事選の対応」について

【読売新聞・天野記者】
 コロナの関連で2点伺いたい。
 代表は冒頭、第2次補正予算や経済対策については早急にやらなければいけないと、政府・与野党連絡協議会の枠組みを通じてとおっしゃったと思うが、それに絡んで、きょう夕方、自民党と立憲民主党の政調会長が会談をする。コロナの経済対策や2次補正などが議論になるかと思われるが、この会談について、野党内では、政府・与野党連絡協議会が、二つ同じような会議体があって、形骸化するのではないかというような指摘も出ている。こういう会談が行われることの受けとめと、先ほど行われた党首会談で枝野代表からこの会談についての説明があったのかどうか伺いたい。
 2点目が、東京都知事選の告示まで間もなく1ヵ月となる。国民民主党として候補者擁立をどう考えているのかということと、このコロナの感染が広がる東京で知事選を行うことの是非についてお考えをお聞きしたい。

【代表】
 先ほど党首会談でも、そういう話があるということで改めて確認しましたが、(自民党)岸田政調会長から立憲民主党の逢坂さんに会いたいという話が来たので会うんだということを伺いました。私から、既存の政府・与野党連絡協議会との関係はどうなるんだと、あるいは、こういうふうに与野党が対立しているときにそういった会議を受けていいのかというような話は私から申し上げましたが、そういう話が来たのであれば受けようという話は、受けましょうということになったそうですが、ただ、既存のそういった連絡協議会があるわけですから、そことダブルトラックにならないように、そこに岸田政調会長が出てくれれば済む話なので、一本化をとにかくしてやってくれということは申し上げました。
 都知事選に関しては、候補者等についてはまだ未定でありますが、ただ、「緊急事態宣言」のもとでそういった首長選挙や地方の議会議員選挙をやることは正しく民意が表現されないということで、延期すべきだということは従来から申し上げてきましたが、東京都あるいは大阪府ではまだ「緊急事態宣言」があした解除されるような話にはなっていませんので、やはり「緊急事態宣言」下で適切な民意の発露ができないのであれば、延期することも含めた検討、とりわけそれを可能にするような法律を成立させていくことも検討していかなければならないと思っています。

○新型肺炎 「入国制限緩和の打診」「経済安全保障について」

【フリーランス・安積記者】
 代表はおととい(予算委で)経済安全保障について質問されたが、中国が韓国や日本など周辺国に対して入国を促すというか、緩和の働きかけをしており、韓国では5月1日からある程度の安全性というかコロナウイルス陰性を証明した上で入国を受け入れている。日本に対してもその働きかけをしているということだが、これに対してどう思われるか。これと、私もきょう書かせていただいたが、代表がおっしゃったように、日本が経済的に困惑しているときに空洞化みたいのを狙って中国がやってきて土地や会社などを買いあさる危険性があると思うが、これについて伺いたい。

【代表】
 経済安全保障の観点からもそうですが、あるいは感染再拡大の防止という観点からも、両国からの入国については現時点では慎重に考えるべきだと思います。上海でディズニーランドが再開したりとか、いろいろな動きが出ていますが、韓国でもまた第2波的な動きも出ていますので、そういった要請があるのかどうか確認する必要はありますが、日本はまだ収束ということにはなっていませんので、そういった両国からの入国については慎重に対応すべきだと思います。
 かつ、繰り返しになりますが、比較的割安感が出ている日本の企業や資産が安く買いあさりに遭わないように、外為法に基づく12業種だけではなくて、あれは対象が上場企業だけですから、コア技術を持った中小・中堅企業に対しても規制の網を広げるべきだと思いますし、逆に、外国からのお金が入ることを防ぎたいのであれば、日本の政府系金融機関、具体的に言うとDBJ(日本政策投資銀行)とかREVIC(地域経済活性化支援機構)さんが資本性のお金を入れる枠組みをもう少し拡充して、そういった危機にあえいでいる企業、特に中小・中堅企業に対して資本性の支援を強化する。そういったことも第2次補正で強く求めていきたいと思います。

【フリーランス・安積記者】
 中小企業に対しての支援ということだが、代表がおとといの予算委員会で質問されたことに対して、総理は、外為法を改正したからそれでいいんだみたいな感じで、どうしても大企業中心みたいな感じだが、ゼロ回答と解してよろしいのか。

【代表】
 今やっていることをご説明されたということで、これまでやってきたことについては私は評価したいと思いますが、ただ、あれはコロナの前にもう既に考えていたことなので、まず、コロナが起こったことを踏まえれば、医薬品、医療機器、こういった分野についても拡充する必要があるし、加えて、上場企業だけではなく中小・中堅企業であっても安全保障や国民の健康や生命にかかわる分野についてはしっかり規制の対象にしていくことが大事だと思います。

○検察庁法改正案について(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 代表は意味深なことをおっしゃって、永田町的には、常識的に、河井(案里)さんのところに1億5000万で、対立の溝手さんに1500万なんて、党本部が出すわけがないではないかと。この差額というのはおそらく官邸機密を含めた何がしかだろうと、たぶんそういうふうに多くの議員が思っていて、それは自民党の議員もそうだと思うが、やはりその部分についても調べることができるのは検察で、このわけのわからない検察庁法改悪の時期に、さすがに検察の現場が本気を出したというような気もする。そういう部分も本来検察の役割だと私は思うが、この国にも正義があるんだということではないかと思うが、その辺はどう思われるか。

【代表】
 私自身もかつて検察官の皆さんと一緒に仕事をしたこともあります。捜査や調査にかかわったことも私自身あるので、検察官の皆さんの志の高さ、高潔さということはよくわかっている一人だと思っています。多くの検察官の皆さんは、本当に中立性、公正性、また、法と正義を守ろうといって頑張っておられるのをよくわかっていますので、今回のような法案が出てくることは、多くの真面目に働く検察官の皆さんにとってもある種の侮辱以外の何物でもないと思いますし、よからぬ疑惑を、しっかりと仕事をされている検察官がそういう目で見られるような状況をつくっていることも含めて問題のある法案だと思います。それこそ裁判所構成法、帝国憲法下で認められていた司法大臣の(判断により)検察官の定年延長を認めるという規定を、あえて戦後、昭和22年に削除して廃止したわけですから。それをずっと連綿と守ってきた、この伝統を守って、今回の国家公務員法(改正案)も、その延長する部分については削除して、それで出し直せば我々も心から賛成しますので、ぜひ与党の皆さんにはこの大きな民意のうねりも感じ取っていただいて英断をしていただきたいと思います。