玉木雄一郎代表(オンライン)記者会見

2020年6月17日(水)14時01分~14時30分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/pLPovjJv56Y


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第201通常国会を振り返って

【代表】
 まず冒頭、私から何点か話をしたいと思います。
 きょうで国会が閉会となりました。ただ、コロナのさまざまな対策を引き続き講じていかなければなりませんし、第2波・第3波の備え、そして巨額の対策予算の執行についての監視、また、イージス・アショアの配備撤回ということで、さまざまな、まだまだ議論しなければならないことがありますので、きょう与野党で協議が持たれて、そして、週に1回常任委員会を開いて審議を継続するということが決まりましたので、不信任案の提出については行わないということになったと伺っております。しっかりと、予算委員会も含めて、閉会中の審議を深めていきたいと思っております。
 そして、この通常国会を振り返ってですが、何といってもコロナ対策が中心だったと思います。我が党としては、結党以来、対決だけではなくて解決策を示していこう、「新しい答え」を提案していこうということを党是にこれまでやってきましたが、今回まさにそういった私たちの立ち位置、考え方が生きた国会ではなかったかと思います。
 典型が、一律国民に10万円を給付するという現金給付の提案については3月の初めから、我が党が最初に具体的な提案をして、結果としてこれが与党・政府の案としても受け入れられたということは、提案型の野党として具体的な成果を残すことができたと思っております。
 加えて、家賃の支援の問題であるとか、あるいは学生支援についても早くから取り上げて、具体的な法案の形としてこれも提案できたことは非常によかったなと思います。
 このほかにも議員立法20本を国会に提出いたしました。また、今国会に提出されて採決に至った閣法56本についても50本に賛成をしておりますので、賛成率でいうと89%ということです。

○アフターコロナの国家像・社会像に関する議論について

【代表】
 国民民主党、結党2年がたちましたが、先ほど申し上げたように、提案型の我が党の立ち位置が今回は非常に機能したと思いますし、これからアフターコロナ、コロナ後の社会・国家像をどうするのかということを考えていく上でも、我々の「新しい答え」を見出そうとする党の立ち位置をそこにしっかりとまた生かしていきたいと思っております。
 なお、これに関して言うと、あす連合の中央委員会で、連合さんと立憲民主党さんと我が党と、この3者が、それぞれに9月をめどにコロナ後の社会像や政策を取りまとめていこうということで合意をする予定になっております。三者三様それぞれにやっていきますが、人間中心あるいは生命中心というような視点で、これからのアフターコロナ・ウィズコロナの政策体系をしっかりと夏の間つくり上げていきたいと思います。
 初会合は6月26日になると思います。連合の神津会長と相原事務局長、そして両党の代表・幹事長、6者で集まって6月26日にキックオフということになりますが、そういった枠組みがあす決まるということになりますので、そういったものも踏まえながら、我が党としては党内に専門組織も設けて、こうしたコロナ後の、あるいはウィズコロナの政策を早急にまとめていきたいと思っています。

○「イージス・アショア配備計画停止」「辺野古基地建設」について

【代表】
 最後に、イージス・アショアの(配備)プロセス停止についてでありますが、まず結果として今回そのプロセス停止を決めたことは、これは歓迎したいと思います。というのは、我々はもう当初からこのイージス・アショアについては問題が多いということを指摘してきました。特にレーダーシステムが、ロッキード・マーチン社のLMSSRというレーダーはまだ構想段階で試作品もないという状況ですから、影も形もないものに何千億も出すのおかしいということは従来から申し上げてきましたし、かつ、使うソフトウェア(イージスシステム)もベースライン9という一昔前のものを使うということで、非常にちぐはぐな調達の中身になっていたし、あとは新屋の演習場を初め秋田・山口それぞれ住民の同意がしっかり得られていないという、さまざまな観点から見ても非常に問題の多い配備だったと思いますので、今回このプロセスが停止になったことは、これはこれで評価をしたいと思います。
 ただ、なぜこういった結果として撤回するような計画がスタートしたのか。そして、なぜ、何をきっかけにこれが停止になったのかという、そのプロセスについてはやはりしっかりと国会で国民に対して説明をしてもらわなければなりませんので、閉会中審査で外交・防衛に関してもしっかりと議論を行っていただきたいと思います。
 あわせて、河野大臣もおっしゃったように、工期も、納期も、そして予算も、費用対効果の観点から合理性がないということであれば、辺野古崎の基地建設についても、軟弱地盤が発見されて以降は、もう工期も、そして工費も、どれだけかかるのかわからなくなっているわけですから、今からどんなに急いでも15年かかるということであれば、安全保障環境は大きく変化するわけですから、安全保障の観点からも果たして今の辺野古崎の工事を継続することがベストなのかということはやはり一回ゼロベースで見直すべきだということは改めて主張していきたいと思います。我々は沖縄協議会を設けて日米地位協定の見直しを初め積極的に提案しておりますので、費用対効果、そして最新の安全保障環境の変化に対応できる効率的・効果的な分野に、限られた財政資源を投入していくべきだということを引き続き訴えていきたいと思っています。


■質疑

○山尾衆議院議員の入党届提出について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 きのう山尾さんの記者会見で出てきた、玉木先生のコロナ後のビジョンに対する共感、憲法を国会で大いに語ろうということへの共感。しかし、私は聞いていて、やはり玉木さんと一緒にやりたいんだなと、そういう感じが非常にした。それはそれでいいと思うが、山尾さんへの評価と今後の期待。あわせて、立憲からここへ来る経緯はともかくとして、この間はやはり山尾さんを先生のほうから、よかったら一緒にやりませんかとおっしゃったのか。それとも彼女のほうから、民主党の継承団体である国民民主党でもう一度戦列に加えてほしいという申し出があったのか。どんな経緯で来られたのか、話せる範囲でお話しいただけたら。

【代表】
 山尾議員は、私、2009年当選の同期でもありますので、折に触れていろいろな会話はしてきましたが、特に今国会は、検察官の定年延長についてはやはり山尾さんが過去の政府見解を取り上げたことによって非常に大きな問題がクローズアップされて、そしてうねりができたということで、非常に優秀な、能力の高い議員だと認識をしております。
 今回の件については、きのう幹事長のところに入党届を持ってこられたので、そこは私は関知していなかったので、これから手続としては総務会で了承するという手続が規約上必要になっていますので、きょうは案件がないということで特段総務会は予定されていなかったので、来週以降の総務会で山尾さんの入党については協議をするという手続になろうかと思います。

○通常国会を振り返って

【読売新聞・天野記者】
 国会が終わり、共同会派の運営について伺いたい。国会を通じて、特に参議院の共同会派は、終盤には舟山国対委員長が立憲民主党幹部との連携不足を嘆く場面もあった。代表はこの通常国会を通して参議院での信頼熟成はできたとお考えになるか。これは1月の合流協議のときに3条件のうちの一つに代表掲げられていたが、今それが満たされたとお考えになるかどうか伺いたい。

【代表】
 共同会派を組んで衆議院においてはかなり一体感が出てきたような気がしますが、参議院では、先ほど舟山国対委員長の話もあったように、必ずしも衆議院ほどうまくいっていないというのが認識であります。いろいろな双方の努力によってそういったものを改善しようとしてきていると思いますが、まだまだ、その意味では衆議院における会派運営の円滑さというところには達していないと思っています。

【朝日新聞・山下記者】
 2点伺いたい。先ほどお話もあったが、内閣不信任案は今回出さないという判断になった。安倍政権、問題が非常にこの間多かったと思うが、不信任案を出さないという判断についてコメントいただきたいのと、もう一つ、きのう小沢さんと個別に会われたと思うが、合流協議についてどういうやりとりを交わされたのか。

【代表】
 まず、不信任案を出さないことについては、私も、(安倍政権は)やはり問題が非常に多いので信任に値せずとは思いますが、一方で、国対間あるいは幹事長間で、引き続き国会を開いて毎週常任委員会を行うという形になりましたので、その意味での行政監視が継続するという意味ではこれは評価すべきところかなと。それも踏まえて今回は不信任案は出さないということになったと伺っていますので、これは一つの判断かと思っております。
 昨日の小沢さんとの話ですが、合流というよりも東京都知事選挙の話がメインだったと思います。合流については、1月20日までやってきたことのおさらいと、そしてこの間、コロナ対策に傾注してきましたので、ある意味そういった協議については少し控えておりましたが、先ほども少し質問にありましたが、当初3条件ということを、これは私がどうこうというよりも党の機関決定として決めた交渉方針ですから、それが現時点においてどういうふうに満たされているのか、これからどう満たしていくのかということについての意見交換をさせていただきました。

【朝日新聞・山下記者】
 都知事選の話がメインだったという話だったが、山本太郎さんが出ることになった。それとの絡みで、もう少しどういうお話だったか伺いたい。

【代表】
 そこはちょっと中身の詳細は差し控えたいと思います。もちろん山本太郎さんが出ることになったことも含めて話をしました。

○東京都知事選について

【フリーランス・堀田記者】
 あしたから一応都知事選が始まる。国民は自主投票だが、秋には解散があると。国民の候補者も東京にはいる。現職はいないが。この人たちが応援する場合、どのような形で応援したらよろしいのか。のぼりを持って山本さんのところに行くとか、小池さんのところに行くとか。つまり、立憲の候補者もいるわけだが、その人たちはのぼりを持って宇都宮さんのところに応援に行きたいと言っているが、そういったところで差が出てしまう。それについてはどのように代表としては指示なさるか。

【代表】
 我々は自主投票ということに決定をいたしました。我が党として候補を擁立することができなかったので、その意味では我が党、公認候補はいないということなので、自主投票ということですが、来年、都議会議員選挙なども控えておりますので、そこは東京都連の皆さん、あるいは都議会議員や候補者にとって一番プラスになるような形で応援の形をとりたいと思っています。

○「閉会中審査」「党役員人事」について

【時事通信・近藤記者】
 2点伺いたい。一つが国会の対応で、コロナなどに関して一定の政策提言について評価があったというお話だったが、「桜を見る会」とか、検察官の定年延長とか、事務委託費の問題など、いろいろ問題はあった一方、不信任も出さず、追及の手は少し緩んだかと思っているが、そこの受けとめと、閉会中審査で具体的にどういった追及をしていきたいかというのが一点。
 もう一つは、通常国会終了後に速やかに人事を行うとおっしゃっていたが、どのぐらいのタイミングで行う予定なのか伺いたい。

【代表】
 国会については、やはり政府側のおかしな点については引き続き厳しく追及していきたいと思います。不信任案を出さないということになったのは、ここは各党間あるいは与野党の駆け引きの中でこういった結論になったということなので、これは受けとめたいと思いますが、やはり問題が多いし、我々がやはりとってかわるんだというぐらいの意気込みを常に見せ続けないと、やはり選挙もそう遠くないうちにあるということであれば、そういった戦う姿勢は見せ続けなければいけないと思います。
 特に、閉会中審査の中ではこの巨額予算の適切な執行についてはやはりちゃんと見ていかないといけません。850億を超える第2次補正の持続化給付金の事務委託費も、これは一体どこが受けるのか。1次補正より給付する金額が少ないのに事務委託費が大きくなっているのは一体なぜなのか。あるいは「Go To キャンペーン」についても、多少縮減するといっても、それでも数千億の予算で、本当にそんなのが要るのか。地方公共団体でそれぞれ宿泊等の支援を始めている中で、地方創生臨時交付金をむしろふやして、それで地方のそういった旅行キャンペーンを応援するほうが効率的ではないかなどなど、やはり税金の使い道についてきちんとチェックをしていくことをやらないと、白紙委任して巨額の税金を時の政権の好き勝手に使わせることは、放置してはならないと思いますので、そういった観点からしっかりとチェックをしていきたいと思います。
 河井案里さん、河井夫妻の問題についても、やはりこれはしっかりと追及をしていかなければなりませんし、菅原一秀さんも会見をしれっとしましたが、やはり説明責任を本当に果たしているのかということについては、何か国会が終わるまで雲隠れしていた、そういうことでは許されませんので、こういった問題についても引き続き我々としてはチェックをしていきたいと思っています。
 人事については、今、検討しております。予算が終わるまではできないということでしたが、国会が終わりましたので、次の、ポストコロナの政策づくりということのタイミングも視野に入れながら、適切な時期に人事を行いたいと思っています。

○「山尾議員入党届」「都知事選」について

【フリーランス・安積記者】
 きのうから話題になっている山尾さんの入党だが、代表としてはまずこれは歓迎するということか。
 それから都知事選だが、来年の都議会選挙を意識するということは、結局、都知事選で国民民主という名前を選挙で掲げるような候補、そういうアピールできるような候補を応援するということか。

【代表】
 まず山尾さんの件ですが、来る者は拒まないというのが我が党の姿勢ですので、適正手続を経た上で、入っていただける人はぜひ受け入れたいと思います。先ほど申し上げたように、今国会の検察官の定年延長についての問題点を最も鋭く指摘したのは山尾さんだったと思いますし、憲法審などでも積極的な発言をされていますので、戦力として期待できるところは非常に大きいと思っております。
 それと、都議会議員選挙、我が党所属の議員は今1名だけなのですが、やはり彼が次に通るためにどういう支援が一番適切なのか。もちろん国政のいろいろな関係、しがらみもありますが、まずは我が党所属の、ある種の地方選挙なので、都連や所属の都議会議員にとって一番いい形になるように応援の形は決めていきたいと思います。

【フリーランス・安積記者】
 来る者は拒まずということは、代表としては積極的に受け入れるということか。それとも、中立的というか、ニュートラルに、ほかのメンバーの意見を尊重するということか。

【代表】
 これは手続の問題で、私が入(い)れるからといって入(はい)れるものでもなくて、総務会の手続を経ることになっているので、そういった党内の手続を経て決めていくことになろうかと思います。ただ、先般の馬淵議員もそうなのですが、入っていただけるのは非常に、能力のある方はありがたいなと思っていますから、あとは適正手続を踏んでいくということだけだと思います。

○「国会振り返り」「河井夫妻の自民離党」について

【NHK・米津記者】
 閉会の受けとめについて伺いたい。政府のこの国会での答弁姿勢や、コロナにかかわるさまざまな政策の変更だったり、一律10万円の給付が一番大きなところだったが、そういった政府の対応・姿勢についてどのように受けとめておられるかということが一点。
 もう一つ、河井夫妻の件だが、自民党に離党届を提出して受理される見通しとなっているが、先ほどちょっと触れておられたが、追及していくというのはどのような場面で追及していくお考えか。また、説明責任についてどのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 まず河井夫妻のことについては、これは法律に違反していることが指摘をされているわけですから、自民党を離党したといっても、1.5億円が自民党の金として使われているということですから、本人が離党したといっても自民党及び関係者の説明責任というのは残り続けると思いますから、そこはきちんと、違法行為の源泉となったお金の流れ等についてはしっかりと話を、説明責任を果たしてもらわなければならないと思っています。
 政府の答弁姿勢は、これもコロナのときだけではなくて、やはりはぐらかしが多かったり、何か正面から答えようとしないという姿勢は、非常に不誠実ではなかったかと思います。例えば30万円の給付が突然10万円に変わったり、それも一体どういうことでそうなったのかということが、たぶん自民党の議員にもよくわからない。ましてや野党の議員にはわからない。非常に、総理の側近周りで決まっている。しかも、それが記録に残さない、残らないので、その意思決定のプロセスが事後的に確認できない。あるいは、確認できないようなやり方で決めるということが、特に今国会に入ってからの安倍政権の一つのスタイルになっていると思います。有識者会議の議事録を、速記録を、いまだにつくらない、残さないと言っていることにあらわれているように、国民の税金を使う、あるいは国民に大きな影響を与える、例えば学校の一斉休業についても、なぜそういう判断になったのかということが国民にわからない、あるいは事後的に検証が極めて難しいという中で重要政策が決まっていく。それに対して十分な説明責任を果たさない、文書を残さない。これは後の世に対しても非常に不誠実な対応だと思いますので、これは改めてもらわなければいけませんし、こういった点についても引き続き閉会中審査の中でも厳しく指摘をしていきたいと思います。

○「国公法改正案廃案」「アフターコロナの議論」について

【共同通信・中田記者】
 2点伺いたい。まず公務員の定年延長法案の関係で、内閣委員会が継続審査の手続をとらなかった。事実上の廃案になった形だが、受けとめをお願いしたい。
 もう一点が、連合・立憲・国民の三者でのコロナ像の取りまとめに関して、国民民主党独自のポストコロナ像の検討も9月めどとおっしゃっていた。この3者の取りまとめとどういうふうに調整されていくのか、お考えを伺いたい。

【代表】
 まず後半から言うと、それぞれ3者でやっていくので、まずは独自にやっていきますが、当然最終的にはすり合わせできるところはすり合わせをして、あるいは、その中から共通のものを取り出して衆院選挙の共通政策にしていくようなことも当然視野に置きながら、まずはそれぞれの団体・政党でまとめ上げていくということが大事だと思います。ですから、まずは今月から始まる議論をしっかり、各党、あるいは連合は連合として専門家を呼んでやっていくということでやって、最終的にはその中でたぶんかなり共通なところも出てくると思いますから、そういったものを、衆議院選挙も視野に入れながら共通点を探っていくということもあわせてやっていきたいと思っております。
 国公法の廃案については、そういうことで総理もおっしゃったのでそういうことになりましたが、であれば検察庁法の、もともと束ねているのをきちんとばらけてやるべきだということを言っておりましたが、その意味では一旦仕切り直しをして、秋に検察庁法を外して出し直していただきたい。定年の延長ということについては、これは高齢化が進んでいるという観点から必要だとは思いますが、たしか附則に書いてあったように、若い人たちのインセンティブを削がないように、評価制度の見直しであるとか、若い人をうまく引き上げていくような仕組みとか、そういったものをあわせて議論をした上で、仕切り直して臨時国会には提出をして、そして成立させることが必要だと思います。