玉木雄一郎代表記者会見

2020年7月8日(水)14時00分~14時42分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/J1IaZxqiuhY


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○豪雨災害の対応について

【代表】
 まず、豪雨水害についてであります。
 先週末から国内の広い範囲で、数十年に一度と言われる記録的な豪雨が発生をしております。既に亡くなられた方も50名を超えるということで、まず命を落とされた方に心からお悔やみ申し上げますとともに、今なお大変不自由な生活を強いられている被災者の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
 きょう災害対策本部を午前中開きまして、この間の災害の状況について各省庁からもヒアリングを行いました。我が党としては4日の午前11時に平野博文幹事長を責任者とする情報連絡室を設置し、古川元久代表代行を本部長とする本部を立ち上げて、今も地方の県連とも連携をしながら対応に当たっております。きょうは本部で福岡県選出の城井崇議員、長崎県選出の西岡秀子議員からも直接ウェブを通じて報告を受けました。また、きょうは岐阜や長野でも大きな被害が拡大しておりますので、十分に我々としても対策に力を入れていきたいと思っております。
 国会においては、閉会中ということではありますが、災害特の閉会中審査を速やかに求めていきたいと思います。今、現地でそれぞれ役所の皆さんも(対応に)当たっておりますが、国会としても対策・対応を決めていかなければなりませんし、場合によっては激甚災害の指定、そして第3次補正予算ということも視野に入れて対応していかなければならないと思っていますので、速やかに閉会中審査を求めたいと思っております。
 我が党としても、これまでも(新型)コロナ対策についてはまだまだ不十分だということを申し上げてきましたが、あわせて、この全国で発生している災害への対策に必要な予算も含めた3次補正案ということについては速やかに検討に入りたいと考えています。

○経済対策 家賃支援給付金について

【代表】
 次に、経済のことについて一言申し上げると、やはり国民生活は非常に厳しくなっているなということを感じます。きょうもコロナ対策本部でヒアリングしましたが、やはり遅い。本当に必要なところに支援が届いていないという気がします。
 例えば家賃の給付金についても、間もなく申請が始まりますが、例えばチラシを見ると、過去3ヵ月支払いの実績がないと受けられないというのが要件になっています。でも、これよく考えると、過去3ヵ月払えなかったような人がまさにこの家賃支援の給付金を必要としているはずであるのに、過去3ヵ月払ったことが条件になっていると一体どれだけの人が申請できるんだということは、きょう役所に指摘をしました。そうすると、いや、きちんと書面で大家さんから猶予をしていただいていることを証明できる人も対象にするんですという返答がありましたが、あの一枚紙のチラシにはそんなこと一言も書いていませんから、あのチラシを見ると、見た瞬間に心が折れると思います。
 だから本当に、この家賃の問題については4月28日に野党として法案(事業者家賃支払い支援法案)を出して、それを政府・与党がけり続けて、やっとつくった制度が使い物にならないということでは本当に廃業・倒産が続出すると思いますから、こういったところにもきめ細かく目配りをしていきたいと思っております。

○河井夫妻の起訴について

【代表】
 それと、もう一点だけ。河井夫妻、本日にも起訴ということですが、もう議員をやめるべきですね。これは離党したとはいえ自民党が責任を持ってやはり議員辞職させるべきだと思いますし、地元を回っていますと一番言われるのは、「自分たちにはそういう必要な給付金等が届かないのに、何で逮捕された議員にボーナスが満額払われるんだ」ということは多くの国民がやはり疑問に思っていますよ。こういうことを野放しにしている自民党の責任も極めて重いと思いますから、ここも厳しく、きょう起訴ということになり推定無罪ということではありますが、現職の議員が起訴されたということは重いので、やはりこれは議員は辞職すべきだと思います。


■質疑

○新型肺炎 感染拡大防止政策について(1)

【FACTA・宮嶋記者】
 コロナの問題だが、代表は前から、インフル特措法には限界がある、単なる自粛要請で本当に抑え込めるのかと。現在、夜の町、それもスポット的なところをどう抑え込んでいくかについては、やはりPCR検査を義務づけたり、それを拒否する人間には罰則かどうかわからないが何がしか強制するようなことをやっていかないと、本当の局所のことで日本全体が振り回されているような状況があると思うが、野党として、こうした問題を封じ込めるについて、もちろん補償と一体かもしれないが、改めてお考えを伺いたい。

【代表】
 現在の状況は、戦略なき無策だと思います。毎日3桁の新規感染者が東京で出ていますと、夜の町が悪いんですというような話ばかりが出てきますが、対策、ではそれをどうするのかということが全く見えません。かつてのように「緊急事態宣言」を発して営業の自粛や行動の自粛を求めていくということをするかと思ったら、それはしない。では自由にして、もうそこは検査を拡充させて早期に発見し、隔離し、治療体制に持っていくということかと思いきや、検査体制もそんなに拡充していない。とにかく感染者がふえていますねという報道だけが連日行われている。かつてに比べても無策になっていると思います。
 私は、やはりある程度その地域が限定されて原因がわかっているのであれば、そういった業界・業種、あるいは地域を限定してでも、何らかの営業の自粛等を求めて、そのかわり経済的な補償を万全にしていくということで、やはり一つ一つ積極的な政策で抑え込んでいかないと、今、何もしない状況で「大変だ」「大変だ」と言っているだけでは、これは政策に全くなっていないと思います。ですから、その根っことして、法的に不備があるのであれば、やはり特措法を改正して、しっかりとした休業補償を法律に明確に位置づける。また、単なる要請だけではなく、行政的な命令や、反した場合の罰則ということもやはり検討していかざるを得ないと思います。そこを避けて、とにかく「大変だ」「大変だ」と言うだけでは、あるいは「新しい生活様式」と言って国民だけに何か責任を押しつけるようなことでは、感染を封じ込めることはできないと思います。
 我々としても、けさ、そういった特措法の改正の議論を改めて政調を中心にやりましたが、この状況が続くのであれば、あるいは第2波・第3波の対応を万全にするためにも、特措法の見直しということは考えていきたいと思いますし、改めて私たちの考えを整理して出していきたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 土曜日に新宿区長の吉住健一さんとお話しさせてもらったが、要するに、まともなお店のオーナーが従業員に対して検査を受けてくれと、そういったことで数が上がっている。
 そこにおいて一番の問題は、そのホストやら、例えばアシスタントで来ている女性のお友達、お客さんはわからないという。これをやると個人情報保護法になってしまうので。だから、そこをどうするか。真面目な店のオーナーというのは、我が店は非常に健全であるということをアピールしたいために吉住さんに協力している。もうある意味で逃げちゃった人を、例えばそれを旦那に知られると大変でしょう、ホストクラブに遊びに行っているなんていうことで。そこは何とかしてくれと吉住区長も言っていたが、これに対してどのようにしたらいいか。

【代表】
 今導入をしていますが、接触(確認)アプリのようなことを、やはりある程度きちんとそういった店で入店のときにやってもらうように徹底していく、単にボランタリーにやるので無理であれば何らかの法的な担保をとるような仕組みが必要ではないかと思います。つまり、きちんとやっているところが割を食って、フリーライダーのような、そういうことを措置せずただ乗りしている人が何かかえって感染を広げるようなことになって、正直者が馬鹿を見るようなことになってはいけないので。
 いずれにしても、先ほど申し上げたように検査・追跡・隔離・治療という体制を充実させることが基本だとは思います。ただ、そこでどうしても漏れているので、では漏れているのを放っておいていいのかいうところが今は無策な状態ですので、そういったものが実現できないのであれば、やはり何らかの法的な枠組みも必要ではないかと思います。

○山尾議員の入党について

【産経新聞・千葉記者】
 山尾志桜里衆議院議員の入党届の扱いについて、本日総務会もあるかと思うが、現状どうなっているかということと、特に山尾議員は憲法論議をしっかり進めていくべきだという点で代表とも意見が一致するかと思うが、憲法論議を含めて山尾議員に党内でどのような役割を期待されるか、改めて伺いたい。

【代表】
 まだ入党が正式に決まっていませんので、入ってから何をしてもらうかということについてはコメントは差し控えたいと思いますが、ただ、山尾さんに限らず、それぞれ皆さん得意分野がありますので、その得意分野で十分に力を発揮していただきたいなとは思っています。
 きょうこの後15時から総務会がありますので、そこでかかると聞いておりますので、正式に入党が認められたときにまたコメントさせていただきたいと思います。

○「豪雨災害対応」「治水事業」について(1)

【NHK・米津記者】
 災害について伺いたい。先ほどおっしゃっていた第3次補正予算案ということがあるが、これまでの政府の対応をどのように捉えていらっしゃるかということと、第3次補正予算案を編成するべきということと閉会中審査以外に何か、そもそもの治水の事業自体に対して思うところがあれば教えていただきたい。

【代表】
 現在進行中のことですし、さらに被害地域が拡大する可能性があるので注意深く見守っていきたいと思いますが、政府も対応はやっていると思います。地方公共団体とも連携をして、そこは全力で取り組んでいると思いますし、取り組んでもらいたいと思います。
 治水事業等については、今回も観測史上最大という地域がかなり出ています。熊本、鹿児島、あるいは九州北部だけではなくて、長野、岐阜などでも観測史上最大の雨量を記録したところがあります。既存の治水対策だけでは対応できなくなっているのではないかと思いますので、これまで平成9年をピークに公共事業、特に河川関係の公共事業というのはずっと減らしてきたのですが、果たしてそういう予算の配分でいいのかどうか。ポストコロナの時代というのはとにかく命を最優先に考える政策にしていかなければいけないので、その意味では非常に原点に戻りますが、古来より政治の原点は治山治水ということですから、その意味でも河川関係の予算も今ので本当に十分なのか。時間をかけて整備することになっていますが、そんなに時間をかけて大丈夫なのか。やはり総点検をしながら必要なところには必要な予算をつけていかなければいけませんし、ダムについても、ダムに頼らない治水ということがこの間随分言われてきましたが、無駄なダムはやはりつくってはだめだと思いますが、ただ、こういう新しい気象状況のもとで、どういうダムのあり方がいいのか、どういう河川改修のあり方がいいのかということについては、改めて新しい視点で見直していかなければいけないと考えています。

○野党連携について(1)

【共同通信・中田記者】
 野党の合流について伺いたい。代表はきのうBS11の番組で、合流の関連で、これだけ維新が伸びている中で維新も含めて一本化することはもう難しい前提で選挙を戦うことを考えないといけなくなっている、だからこそ結集するにはより強い理由と大義が求められるというようなご発言をされている。衆議院選挙を戦うに当たっては、まず維新との一本化なり選挙区調整の必要性はどのようにお考えなのかというのが一つ。合流すると、それが難しくなるのかというのがもう一点。そして、合流する、結集するに際して、より強い大義というのはどのようなものなのか、お考えを伺いたい。

【代表】
 今回の東京都知事選挙を見ても、東京や関東においても維新の勢力が伸びてきたという評価があるのは承知しております。衆議院は小選挙区制度なので、野党側、つまり自公以外の候補が複数立つと、その時点でやはりなかなか、小選挙区当選の可能性がお互い下がっていくというような制度上の仕組みになっているのは事実だと思うのです。そういう意味では、維新だけではなくてれいわさんもいますので、乱立のおそれが非常に、今のままだと高まっているのではないかという認識です。
 もし自公にかわる候補が1人しかいなければ、とにかく1人にすれば自公の反対票が集まるだろうということでいわゆる結集とか合流ということが唱えられてきたわけですが、幾らあるグループで結集しても、結局ほかに立てる政党がいたとすれば、単なるその合流・結集の努力は無駄になってしまうわけですよね。だから、もう単に結集すれば何とかなるという状況は終わっていて、やはり集まるのであれば一体何のために集まって何をなすために集まるのかということをより明確にしていかないと、単に集まったから反政権票が集まりますよという段階ではもうなくなっているという厳しい認識です。
 だからこそ、結集をするのであれば、結集の形態として合流ということをとるのであれば、それ相応のわかりやすい結集の大義や軸を示さないと国民の皆さんもそこに期待しようということにはならないと思いますので、その意味では我々のそういった結集に向けた大義というものがより重要になっているんだということをきのう申し上げた次第です。

【朝日新聞・山下記者】
 今の件と若干関連するが、立憲民主党の枝野代表が6日の高知での会見で、野党の選挙協力について、候補者一本化の条件で、首班指名で枝野と書くことと挙げておられた。そのことの是非、さらに一本化の条件がそれだけということでいいのかどうかという見方もあると思うが、この発言についての受けとめをお願いしたい。

【代表】
 枝野代表は、今、野党第1党の代表ですから、そういう発言をされることは理解できます。
 ただ、先ほど申し上げたように、単に一つにすればいいという段階はもう終わったと私は思っているので、一体どういう大義のもとに何の目的にということをより強く出さないと、結局結集できない選挙区がかなり出てくると思います。つまり、共産党とさえ何とか一つにまとめれば1対1の構図がつくれるだろうというのがこれまでの前提だったと思うのですが、少なくとも近畿以外でもそういう前提が崩れ、関東においても、例えば維新さん、あるいはれいわさんが立てれば、共産党と統一したとしても三つ巴になりますよね、野党の中だけで最大。
 だから、その意味では、そういう最終的に乱立することも前提としながらまとまるのであれば、より強い大義を示さないと、もうまとめるだけではまとまらないということだと思います。

【朝日新聞・山下記者】
 関連だが、今、代表の中でイメージされている大義、最も優先順位の高い大義というのはどのようなものになるか。

【代表】
 それは交渉にかかわることなので詳細は申し上げませんが、ただ、やはり政策が大事で、その政策の大きな柱はやはり経済政策だと思います。国民が今これだけ困っていますから、その国民の困っている生活をどう助けるのかというところでは少なくとも一致しないと、国民の多くの心に訴えることはできないと思います。

【NHK・米津記者】
 今、経済対策ということをおっしゃったが、わいわ新選組との連携、これまで代表も言及されていたが、都知事選の結果を踏まえて、れいわ新選組との連携を改めてどのように考えるか。また、消費税5%への減税を野党共闘の条件と主張されているが、これについて代表は、時限つきではない形での減税をどのようにお考えで、また、それに対して慎重な姿勢の立憲民主党を含めた野党全体でまとまれるかという、今の感触とお考えを伺いたい。

【代表】
 消費が非常に低迷しています。これは何度も申し上げていますし、去年の参議院選挙でも大きな柱にしましたが、今支援すべきは家計ですよ。本当に家計の、所得も落ちているし、消費も落ちているし、この家計セクターをいかに支援するかがこれからの経済政策の大きな柱になります。物を買う力が落ちていますから、その状態で企業が、幾ら企業活動を応援しても、物をつくっても、買ってくれる人がいないと企業業績が上がらないわけですから好循環が回っていかないわけですよね。だから、家計所得を安定させて、消費力を上げて、消費を軸とする好循環を回すしか、もうこの不況・苦境を抜けていく方法はないと思うのです。
 そうすると、家計の可処分所得を上げるための政策を徹底的にやるしかないと思うので、その一つの手段として、消費税減税は今やるべき政策だと思います。ドイツのメルケルさんでさえ付加価値税の減税に踏み込んだわけですから。
 野党は結集して消費税の減税で次の選挙を戦うぐらいの統一感と意気込みを見せないと勝てないと私は思います。だから、れいわさんが言っているからどうこうではなくて、マクロ経済政策としても消費税の減税は野党が統一して訴えるべき政策だと私は思います。維新さんも8%まで減税ということをおっしゃっているのであれば、共産党から維新さんまで一致できる政策は消費税減税なのです。だから、その意味でも、マクロ経済的にも政治的にも消費税減税で野党がまとまって戦うべきだと、そのことはこれまでも言ってきましたし、これからも強く主張していきたいと思います。

【NHK・米津記者】
 衆議院の解散・総選挙について伺いたい。都知事選で立憲民主党などが推した宇都宮健児さんが小池さんに4倍もの差をつけられて次点となった。こうした結果を受け、与党内から解散・総選挙を早期に実施するように求める声も出ている。代表は消費税減税で野党がまとまって戦うべきとおっしゃったが、今のお考えとして、解散・総選挙、いつごろあるのではないかという思いや、それに向けてまとまっていくべきとお考えか伺いたい。

【代表】
 常在戦場ですからね、我々いつあってもおかしくないという思いで準備はしていかなければいけませんし、しております。br  ただ、感染が拡大しているような状況の中で解散することが本当にいいのかということはよくよく考えていただかないといけませんし、あわせて、やはり経済の状況についてはきめ細かく目配りしなければいけないので、我々としてはいつあってもいいように用意はしていきますが、場合によっては、本当にこれ秋口から景気が悪くなるということになれば、政府自身も消費税の減税を考える可能性もあると思うし、そのことで解散・総選挙を行う、民意を問いたいということで、そういう可能性もあると思います。
 私は、かつて安倍総理と党首会談したときの多くの話は、むしろ私から消費税減税したほうがいいですよということを総理に申し上げた立場ですから、その意味でも、安倍総理も消費税の減税を争点に解散・総選挙ということも十分あり得ますので、政府・与党がそれを言って、後から野党が「じゃあうちも減税します」というのでは全く選挙にならないと思います。
 やはり今の非常に苦しい家計の状況を踏まえた上で、何をするかというのは、むしろ野党側から国民の生活を守る観点から先に打ち出さないと、とても選挙は戦えないと思います。

○「豪雨災害対応」「治水事業」について(2)

【西日本新聞・鶴記者】
 豪雨災害について、先ほど治水のあり方については新しい視点で見直しが必要だとおっしゃった。今回熊本県で被害が出た球磨川は民主党政権時代に川辺川ダムの計画が中止されたという経緯がある。今回災害が発生したことで、一部にはもしあのダムがあればという声もあるが、こういう民主党時代のダム中止の判断と、今後の新しい視点での見直し、治水のあり方というのは、どういう考え方、方向性の違いになるか。

【代表】
 民主党政権時代というよりも、これは正確に調べてもらいたいのですが、その前から現地にはやはり賛否両論ありまして、単に国というよりも県や市町村も含めてさまざまな議論が行われてきたという事実があります。国だけではなく歴代の知事さんもそういったダムの建設については慎重な方もいらっしゃいましたし、民主党政権で決めたというのは少し決めつけが過ぎるのかなと思います。
 ただ、治水のあり方については、先ほど申し上げたように、気象状況というか、温暖化の影響でしょうけれども、かつてないような雨量を計測するようになっているので、果たしてダムを単に否定するだけでそういった治水ができるのかということも含めて、ここは客観的にデータも分析をしながら、命を守る治水事業はどういうものなのかということについては改めて見直すべきだと思いますし、必要なダムはつくるべきだと思います。

○野党連携について(2)

【毎日新聞・樋口記者】
 野党の結集の大義のところに話を戻すが、大義を確立するためのプロセスだが、現在、連合を含めた立憲と3者で理念を、共通政策についても会派内で話し合っていこうという動きがあると思うが、このプロセスの延長線上に大義の確立があると代表は認識されているのか。それとも、ほかの手段もしくはプロセスをたどらなければいけないのか。そのあたりはいかがか。

【代表】
 今私が申し上げたような経済政策、とりわけ家計の減税ということについては、これは当然一致すべき政策の一つだと思っています。ポストコロナの社会像を描くに当たっても、そういった経済政策についてもそこに含めていきたいと思いますし、あらあらのものはもうできていますが、そういった中でもちろん議論をして一致点を探っていければと思っておりますし、こちらからも、こういうことでぜひまとまっていきませんかという提案はぜひさせていただきたい。
 今回、コロナ対策でも経済対策においては我が党発信のものがかなり、野党全体の政策にもなりましたし、最終的には政府の政策として採用されたものが多いと思っていますので、経済政策については積極的に我が党から発信をしてまとめていきたいと思っています。

○財務省事務次官人事について

【フリーランス・宮崎記者】
 財務省の人事に関して伺いたい。太田主計局長が事務次官になるのではないかと、もう既に複数の新聞辞令が出ている。主計局長だから間違いないかと思う。野田内閣のときの秘書官だったということ、それから理財局長としては佐川さんの次の理財局長で、ちょっと組織を守ろうとし過ぎではないかといった批判もあった。そして消費税に関しては財務省内では最も消費税増税のほうの中心的な官僚ではないかという見られ方をしているかと思う。今回の太田主計局長の事務次官昇格という人事に関して、いかがお考えになるか。

【代表】
 一役人の人事を政治家がどうこう言うものではないと思います。適正な人事が行われたものと思っていますし、もし仮に事務次官になるのであれば、国民のために公平公正な行政をぜひやっていただきたいと期待しています。

○都知事選・都議補選の結果について(1)

【フリーランス・堀田記者】
 都知事選と補選のことについて伺いたい。玉木さんのところが参戦しなかったので、宇都宮さんは緑の党・新社会党までが加わってくれたというが惨敗した。補選についても四つとも立憲・共産党が主導したところが負けた。これについて、はっきり言って立憲からは反省も何もない。いつも立憲の辞書には反省という言葉がないが、これだと、これから先、玉木さんたちが一緒にやっていくのかどうかについてはいろいろと疑問があると思う。4年前にも反省がなかったが、その反省もない上に糊塗して宇都宮さんを選んだ。つまり、宇都宮さんも4年前の写真を使っていた、おろされたときの写真を。こういう立憲の態度をどう思うか。

【代表】
 野党第1党がやはり独自の候補を擁立して、そこをみんなで応援するということができなかったことは、私も残念だと思いますし、その意味では結集がなかなかうまくいかなかった一つの原因かなと思います。
 他党のことなのでどうこう言うものではありませんが、過去そういういろいろな経緯があるのであれば、そういったことも反省しながら次に生かしていかなければいけないなというのを、お話をお聞きして思いました。

○野党連携について(3)

【読売新聞・天野記者】
 次の衆院選に向けてとか、枠組みのお話を聞いていると、今、代表の中で必要だと思うのは、一時中断になっている合流協議の再開よりも、例えば経済政策や強い大義をどうやって見つけるのかが大事だとお考えなのか。必要がないとまでは言わないにしても、優先順位としては合流協議の再開よりもそうした大義を見つける作業のほうが代表の中で優先順位が高いとお考えなのか。そのあたりをお聞きしたい。

【代表】
 国民目線が大事だと思います。どうしても我々、永田町の中で駆け引き的というか、いろいろな交渉をやりますが、やはり今忘れてはいけないのは、国民が野党に対して、我々に対して一体何を期待して何において力を合わせてもらいたいのかというところに対して敏感でないと、仮に力を合わせるにしても的外れな力合わせになってしまうので、やはりこの国民生活の現状に、厳しい現状にしっかりと目を向けて、彼らが何を今の政治に、特に野党側に求めているのかということに応える政策と枠組みをつくることが大事だと思いますので、そういう観点から物事を進めていきたいと思っています。

【共同通信・中田記者】
 結集のより強い大義について、このより強い大義の中に消費税の減税というのは入るという理解でよろしいか。

【代表】
 入ると思います。

○新型肺炎 感染拡大防止政策について(2)

【フリーランス・宮崎記者】
 きょうの話で2点確認だが、一つはホストクラブに税金で経営者あるいは従業員の人に補償するということはあり得るか。もう一つは、特措法の罰則つき改正ということだと臨時国会が必要になる。別々の話だが伺いたい。

【代表】
 ホストクラブも含めて補償対象だと私は思います。人によっては一晩で何百万も稼ぐ人もいたりするので一定の上限を設定するようなことは必要だと思いますが、ただ、職業によって「この職業はだめです」とか、少なくとも法律で求められて風営法でやっているのであれば、それは法律に基づいて要請するのであればそれに対する休業補償的なことは当然あってしかるべきで、金額の設定等についてはいろいろ考えていかなければならないと思いますが、一律に外すということはむしろあり得ないと思っています。
 特措法の改正については、ぜひやるべきだと思います。きょう一部報道で見ましたが、罰則だけかけて休業補償はやらないという、私の言葉で言うと「北風は吹かすけれども太陽はない」というのはちょっとどうなのかなと思いますから。私は、北風も太陽も用意した、よりしっかりとした特措法に改めるべきだと思いますので、そういう議論は引き続き継続していきたいと思いますし、きょうそういう議論をしました。

○投開票日のSNS投稿について

【産経新聞・千葉記者】
 立憲の枝野代表が都知事選の投開票日に宇都宮候補を連想させるかのように宇都宮名物のギョーザに関するツイートをして、公選法上の疑義があるのではないかとか、さまざまな批判が出ている。これに対して枝野代表は「他意はない」と繰り返すだけで、その対応についてもちょっとあんまりではないかというような批判も出ているかと思う。この一連の経過について代表のご所見あればお願いしたい。

【代表】
 そういうことが言われているというのはネットなどを見て承知をしております。
 これは枝野代表に限らず、私どもも含めて、疑いを持たれるような選挙活動についてはやはり注意してやらないといけないと思いますし、特にネットはいつでもできるので、例えば土曜日の12時を越えてちょっと日曜日に食い込んでからも少し発信してしまうとか、ついつい手軽なメディアであるがゆえにそういったものを犯しがちになるので、私も含めてそこはよく注意していきたいと思っています。

○都知事選・都議補選の結果について(2)

【フリーランス・堀田記者】
 小池さんが自公であるかどうかは別にして、大田区と北区の補選では日本維新の会の単独推薦である松田さんが共産・立憲の松木香凜さんより1万票をとった。北区においては立憲・共産の斉藤里恵さんよりも佐藤古都さんがちょっと負けたわけだが、立憲と共産も次の都議選においては戦うわけで、日本維新の会が単独で伸びているということが言えるわけだが、それについての評価をお願いしたい。特に大田区に関しては1万票差をつけた。松木さんが直前になって変わったということはあるかもしれないが、これは立憲の票に共産がきちんとくっついている。それについてどう思われるか。

【代表】
 次の衆議院選挙で同じようなことが起こると、自公にとって極めて有利な状況になるなというのが評価です。ですから、野党同士で争っていても、それはどっちが勝った、北区では立憲が勝った、大田区では維新が勝ったといっても、勝っているのは自民党ですから。野党が乱立するという状況が今生まれているということは、これだけ政権に対して不満が高まっているにもかかわらず制度上自公が勝ちやすい状況がより生まれているということで、大変な脅威を感じています。ですから、力を合わせて結集するというときには相当な大義と国民にとってわかりやすい訴求する政策を出さないと、単に数を合わせるということだけではもう通用しない状況が既に生じているというのが認識です。そのことがよく二つの補選では見えたという評価です。