国民民主党は16日、衆院の国対役員会を国会内で開いた。泉健太国対委員長が冒頭、あいさつした。

 午前中に行われた野党の国対委員長会談では、与党が再三にわたり野党との約束を破っていることに話題が集中した、とした上で、「森友文書に関する報告を、与党は当初、18日に国会に提示するとしていたが、それを23日に延ばすという。とんでもない話だ。本来この話は、まず連休前に出すということで合意されていた。しかしそれがほごにされた。その後、連休後であれば(出せる)という話になり、われわれは渋々これをのんだが、それもほごになった。さらに今回、5月18日までに出すという話が、再び延期された。与党による遅延行為、サボタージュ。国会における共通のルールを一方的に、与党が変えてしまう、無茶苦茶な話だ」と、与党の態度を泉国対委員長は厳しく批判した。

 現在、アメフトの世界でもラフ・プレーが問題となっていることを念頭に、「国会でのラフ・プレーを次々と繰り出しているのは誰なのか? こういわざるを得ない状況だ」と述べると同時に、「会期も限られる中で、ただ真摯(しんし)に、法案審議と同時に真相究明を行っていきたい、というわれわれとの約束が、いとも簡単にほごにされる。そういった意味で、無茶苦茶な国会運営が各所にわたって今、出始めている」と泉国対委員長は指摘した。

 さらに「要は、今まで暴言や不祥事など様々なことで与党の法案審議の日程が遅れてきた。にもかかわらず、6月20日の会期末に向かって、急に全てをその枠の中に押し込めよう、そういうような国会審議日程を組んでいこうとしている。聞くところによると、衆院外務委員会では、全く緊急性がないにもかかわらずTPP11の条約部分を18日に緊急上程して採決に持ち込む、という話が出てきた。そもそも河野大臣は19日から外遊に行く予定で、21日の週は丸々外交日程が入っている。なぜ急ごうとするのか?」と、法案成立を急ぐ与党の姿勢に疑問を投げかけた。

 泉国対委員長は、こうした与党の強硬姿勢に対し、野党としては同様に反応せざるを得ないとして、「与党があくまで異常な国会運営をしようとするのであれば、われわれとしては、外務大臣の不信任案から始まり、外務委員長の解任決議案。あるいは本会議を強行するのであれば議運の委員長、そしてTPP関連法案でも乱暴なことをするというのであれば、内閣委員会の委員長――本来公平な運営をするはずの方々に(解任の)動議を出さなくてはならない状況も予想される」と野党側の対抗措置の可能性を示唆した。

 最後に「とにかく国会は、正常に、平穏に議論ができる環境をつくるべきだということを、しっかりと訴えながら、各委員会の皆さんには、厳しい論戦をしながら、与党の犯した点をしっかりただしていってほしい」と、締めくくった。