泉健太国会対策委員長は24日午前、国会内で記者会見を開いた。

 衆院の野党5党1会派が23日に国会に提出した高島修一衆院厚生労働委員会委員長に対する解任決議案について、「働き方改革」関連法案の修正協議が続いている最中に委員会採決を強行するような姿勢を見せたことから、「その任にあらず」として提出した経緯を説明した。

 財務省から23日に国会に提出された森友学園問題関連文書については、「実際には、総理夫人に照会があった、というメモが見つかったことも含め、まだまだ読み込んでいかなければならない」と指摘。さらに4千ページの資料が出されて、たった数日後に約3時間半の予算委員会を開くといった国会の現状を指摘した上で、「調査する側とされる側が一緒になっているような状況の中で調査をされても真相は究明できないし、身を守るような調査結果しか出てこない。このことは、防衛省の日報の一件でも明白だ」と述べ、国民民主党として衆参両院の議長に対し、この森友問題・加計問題に関する調査のための特別委員会設置の申し入れを行う意向であることを明らかにした。

 麻生財務大臣の責任については、「今、アメフトの話で日本大学の対応が問題となっているが、日大でも今、徐々に大学のトップの責任が問われ始めているようだ。どの組織であっても、現場の長だけが責められる話ではない」「その意味では、麻生大臣について私は4月から辞任に値する、と言い続けてきた。麻生氏自身が、そろそろ身の処し方を国民に発表する時だと思う」として、あらためて麻生大臣の早期の辞任を求めた。

 最後に内閣支持率について「一部にリバウンドを指摘する声もあるが、全体としては、多くの国民の支持を失いつつあるということだ」と指摘。度重なる醜聞報道にもかかわらず支持率が一定程度以下には下がらないということについては、「代わりがないから安倍政権を支持しているという国民が多い、と解釈している。野党自身にも責任があるということ。野党自身が責任をもって政権像を国民に打ち出さなければいけない」と野党側の自覚を求めた。またその際、「その先頭に立っていただくのは、やはり立憲民主党であると思っているが、私たちもそれにはもちろん参画し、協力するという姿勢で、あるべき政権の姿というものを一日も早く国民にお示ししたい。あらためて立憲民主党にはそういった呼びかけをしていきたい」と、立憲民主党にエールを送るとともに、野党側の「あるべき政権像」をなるべく早期に示すべきだとした。

 さらに共産党との連携については「自民党政権に代わる政権というものが、多くの国民から見て現実的な路線を歩む政権でなくてはいけないと考えている。また自衛隊が段階的に解消されるということを、多くの国民は望んでいない。やはり自衛隊=違憲というような枠組みの政権では、恐らく国民の支持は得られないと思う」と述べた。その上で「やはりあくまで自衛隊の存在ということを野党政権の枠組みでも認め、当然ながら現在の自衛隊の組織体制を基本的には是とする中で、わが国の外交防衛も構想する政権であるべきだ」「これは何も共産党を疎外したいということではなく、ある意味、共産党だけでなく野党全体も変わるべきところがたくさんある。それぞれの政党が、より多くの国民の支持を得られるよう汗をかく、ということだと思う」と共産党側に政策的な歩み寄りを求めた。