泉健太国会対策委員長は29日、定例記者会見を国会内で開いた。

 冒頭、午後の本会議で取り上げられる予定のいくつかの法案への対応について触れ、文科省設置法改正案、船舶リサイクル推進法案(船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案)については党として賛成するが、民法改正案については反対をすると説明した。

 民法改正案については、「成人年齢の引き下げそのものついてはわが党も肯定的ではあるものの、契約や消費者被害の問題では、国民の理解が深まっている状況ではなく、次期尚早という判断」だと反対する理由を説明した。

 衆院厚生労働委員会で25日に採決が強行された「働き方改革」関連法案について、「せっかくの働き方改革なのであれば、本当に国民の命を守るものにしていただくほうが与党にとってもよい選択だったはず。しかし残念ながら労働時間管理、労働者の健康管理の面で労働者の自己責任が増え、使用者の管理が甘くなるというような高度プロフェッショナル制度は残されたまま。過労死、長時間労働、労災などを助長するという観点から、われわれは反対だ」とあらためて表明した。

 採決のあり方については、「審議が十分尽くされたとは言えない状況の中、水面下での協議を打診したり、新たにデータの誤りが見つかって政府に見解を問い直す最中に採決が行われた。そういうことで、わが党も抗議した。しかし、法案に対する反対姿勢や採決に対する怒りは共有するものの、新しい野党、国民民主党としては、院内で物理的にマイクを奪う、あるいは紙を取り上げるといった行為はしないということを決めてきた。多くの国民の皆さまから『議会人としてふさわしい行為だ』と納得していただける党にしようということで活動を始めた」などと述べ、他の野党との協力関係・連携は変わらないが、乱闘国会とは一線を画す姿勢であることを強調した。

 今後の国会対応については、「今回の予算委員会は、森友学園問題の新資料が出てくるということでセットされたもので、この問題を取り上げざるを得ない予算委員会だった。安倍総理ないしは周辺関係者には、真相を説明しようとする姿勢が欠け、後ろ向きの姿勢が出ている。そういった意味では、膿(うみ)がまだまだ溜まっている、あるいはさらに発生しているといわざるを得ない」として、引き続き予算委員会の集中審議を求めていく姿勢を示した。また野党全体としては、(1)国会の会期を延長するのであれば、予算委員会を複数回数開催すること(2)安倍昭恵総理夫人、谷査恵子・前安倍昭恵首相夫人付秘書、加計孝太郎・加計学園理事長らの証人喚問(3)麻生財務大臣の早期辞任――の3つを求めている点で足並みをそろえていると説明した。