国民民主党の泉健太国会対策委員長は5日、国会内で記者会見を開いた。

 泉国対委員長は、会見の冒頭、天皇陛下が体調を崩されたことに「一日も早いご快癒を心からお祈り申し上げる」とお見舞いの言葉を述べ、豪雨災害が全国各地で発生していることに対し、「政府に対策を求めていくとともに、党としても災害対応に協力させてもらいたい」と、災害への対応に与野党はないという考えを強調した。

 衆院本会議で水道法が採決されることには「命の水を扱う事業が民間運営されることに可能性を感じる一方、危険性が除去できていない。その観点から今回の法案には反対」と述べた。

 文部科学省の佐野太局長が4日、子どもの裏口入学に絡む受託収賄容疑で逮捕されたことに、「まことに残念。あってはならない」と指摘したうえで、「文部科学省の幹部であり、全国の教育行政を司り、倫理観を持たなければならない人物がこのような行為を起こした」「安倍総理はこれまでも、内閣人事局における人事を適材適所と言い続けてきたが、はたして今回もそういうことを言えるのか。佐川氏の国税庁長官への任命、福田財務次官への対応など、今の政権による各役所の幹部登用について、何か歯車がおかしくなっているのではないか」と、強い懸念を表明した。さらに、今回の件について、「東京医科大学は(受諾収賄は)この1件だけなのか。真相究明と再発防止という点から、文科委員会はもちろんのこと予算委員会の集中審議の開催を求めていく」と述べた。

 国民投票法改正案が衆院憲法審査会で審議入りしたことについては「国民民主党としては、各党各会派が納得いく形で審議を進めてもらいたいと与野党の筆頭にお願いしてきた。憲法審査会の伝統や過去の取り決めを守った形で運営していってもらいたい」と述べた。国民投票法をめぐって国民民主党はCM規制の議論を求めてきた。「CM枠を大量に使う資金力のある団体が国民投票の空気を支配することは絶対にあってはならない。そういう意味からも国民民主党から各党にCM規制の必要性を伝え、与党とも認識では一致しているとの回答を得ている」と述べ、次期国会でCM規制を追加で改正することを目指す考えを表明した。

 参院選挙制度法案については、「自民党案は自己都合だ。厳しい財政下で議員定数を増やし、合区であぶれた自民党議員を救済するために比例定数を増やそうということは、国民感情からかけ離れたもの」と厳しく指摘。国民民主党案については、「埼玉県で2増させ『1票の格差』を是正するとともに、比例定数を2減するもの。国民に寄り添う政党として、国民の思いを受け止め、議員定数が増えないようなわが党案を出させていただいた。自民党案に対する対案ではなく、議長から各党への提案要請に基づいたもの。国民民主案、自民案、公明案、どれが国民から受け入れられるのか注視してほしい」と話した。

 安倍総理の長期間の外遊について、「目立った外交日程が入っていない。さしたる大掛かりな外交行事もない中で、国会の会期を延長したが総理は不在――こういう延長国会がはたして良いのかどうか。今回の延長国会は、そういう意味では誤りではないか。予算委員会の集中審議開催の約束も果たされていないということも含め、安倍総理が今後国会にどう向き合うのか。警鐘を鳴らしていきたい」と述べた。