共同記者会見で質問に答える両候補

 国民民主党代表選挙に立候補している津村啓介候補と玉木雄一郎候補は25日午後、愛媛県松山市を訪れ、共同記者会見を行った後、街頭演説会に参加した。

 共同会見では、両者が各々代表選挙に挑む決意などを語った後、記者との質疑応答を行った。主なやりとりは以下の通り。

 四国の経済振興について聞かれた津村候補は、海外のクルーズ船の誘致による海外観光客の集客を挙げた。そのために必要な規制緩和の例として、カボタージュ規制(外国資本のクルーズ船に対し、日本のみで完結するクルーズを禁止する規制)と大型客船の瀬戸内海での夜間運航禁止の撤廃を挙げた。これに対して玉木候補は、四国88か所の霊場を使った、本格的な自転車レース(ツール・ド・四国)の企画を挙げた。すでに愛媛県では、自転車を使った観光客の誘致がなされているが、国際的なレースを開催することにより、海外からも多数の集客を見込めるとの見解を示した。

 次に西日本豪雨災害の復興策について尋ねられると、津村候補は、防災省の設置や、災害対策の予算の複数年度化を挙げた。後者については、民主党政権で科学技術の分野において導入され成果を上げているとし、これを災害対策にも広げていきたいと語った。これに対して玉木候補は、被災者対策支援法の限度額の引き上げ(300万円→500万円)とその適用要件の緩和を挙げた。また被害の大きかったみかん農家への支援として、改植期間の所得補償と次世代農家のための土壌整備の支援を提案した。 

 参院選愛媛選挙区における野党共闘について尋ねられると、津村候補は「一人区では候補を統一するのが大原則だと思う。その上で、各地域の事情を一つ一つ聞きながら、丁寧に判断するということだと思う」と回答。これに対して玉木候補は(元民主党議員で現在無所属で活動している)永江孝子さんについて「素晴らしい候補だと思う。野党の力が結集する形で応援の体制を組み、彼女の当選に向け全面的にサポートしていきたい」と回答した。

 現在問題となっている中央省庁などにおける、障害者雇用の水増し問題については、玉木候補が「由々しき問題。40年以上にわたり行われているというのは言語道断。真摯(しんし)に反省しながら、どうやったらこれを防げるのか、与野党を越えて考えていかなければならない」と回答したのに対し、津村候補は「徹底した実態の解明と、民間での実態把握が必要。障害者福祉という誰もが反対できないテーマの中で、現実に合わない制度設計によって無理が生じているのでは。実効的な政策として運用されているのかなど、相対的に見直されるべきだ」とした。

 この後両候補は、伊予鉄道松山市駅前の坊ちゃん広場にて街頭演説会に参加した。

松山市駅前にて街頭演説する両候補

松山市駅前にて街頭演説する両候補

 先にマイクを持った玉木候補は、大都市・大企業の支援が中心のアベノミクスから、地方や生活者、子育て世帯の支援に軸足を置く経済政策(コドモノミクス)への政策転換を訴えた。これに対して津村候補は、マイナス金利政策をやめ、将来世代に借金の付け回しをしながらの景気対策からの脱却や、今起きている社会の変化に正面から向き合うとして、不妊治療に対する保険適用や尊厳死の問題を取り上げた。併せて、野党連携の強化も訴えた。

 演説が終わると二人の候補は、広場に集まった聴衆とにこやかに握手や会話を交わすなどして、演説会は終了した。


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