LGBT諸団体有志と意見交換会を行う両候補

 代表選に立候補している津村啓介、玉木雄一郎の両候補は29日朝、党本部でLGBT諸団体有志との意見交換会を行い、各々の考え方を語った。司会進行は長年LGBTの法的サポートに取り組んできた中川重徳弁護士が務めた。

 有志側からはLGBTへの差別を禁止する法律や同性間の婚姻を認める法律の制定を求める声や、同姓カップルを公的に認めるパートナーシップ制度の全国自治体での導入に向けた国民民主党の取り組み、国際的な流れの中では時代遅れの要件(「性同一性障害」(GID)であるとの精神医学的な診断を受け、不妊手術を受けるという要件)を必須条件としている性同一性障害特例法の見直し、地方や教育現場でのLGBTへの理解を広める施策の検討等を求める発言があった。

玉木雄一郎候補

玉木雄一郎候補

 玉木候補は「政党のなかで代表選挙がきちんと行われているのは自民党と国民民主党だけ。ひとつの考え方をまとめ上げていくための議論。代表選挙の中でLGBTの議論ができることは画期的」と発言。そのうえで国民民主党結党時にまとめた綱領にふれ、民進党当時からの「自由」「共生」「未来への責任」を基本理念としているが、そこに「私たちのめざすもの」として「私たちは、子どもと若者、孤立して生きざるを得ない人々、社会的マイノリティ、障害のある人々、非正規雇用で働く人々等、声の届きにくい人々に寄り添います」との項目を加えたことを紹介。「これまでの政治がくみ取れなかったところに寄り添うことを、党のある種の憲法である綱領に書き込んだ。そういう思いでやっていきたい」と語った。パートナーシップ制度導入は「各自治体ではなく国のレベルで法的な整備が必要。場合によっては民法上の法的な位置づけを与えるところまで踏み込んで議論していきたい」と語った。

 同性婚をめぐっては、婚姻が「両性の合意のみで成立する」とした憲法24条について「『両性』と書いているところを『両者』と明文化した方が、国へのある種の国民からの命令として明確になるのではないか。現行憲法下でも当然(同姓婚は)認められるが、それを積極的に応援するためには憲法上も明文化した方がいいのではないか」と、玉木候補は語った。

津村啓介候補

津村啓介候補

 津村候補は「今回の代表選挙で、新しい日本人のライフスタイルといった、必ずしも経済的な問題だけにとどまらない価値観の問題を提示させていただいている」と述べたうえで、代表選告示日に提出した政見にも「この数年でLGBTに対する認識は大きく変わりました。新しい価値観の提示は、社会を大きく変える力を持っています」「LGBT関連の法整備も合わせて問題提起します」と盛り込んでいることを紹介した。

 そのうえで「教育分野では自治体職員や教師への研修や相談窓口の設置は当然進めるべき」「雇用労働分野や民間サービス分野について、立憲民主党が次の臨時国会への再提出を検討するとしているLGBT差別解消法案をわが党も共同提出するべきだと思う」「GIDの手術要件については大変疑義を持っている。この緩和について具体的な議論をしたい」と主張。「公共サービス分野の同性カップルの法的サポート」をめぐっては、「権利のレベルの話ではなく、尊厳のレベルの話。自治体ごとに異なるべきであるテーマではあってはいけない。憲法24条(に照らして両性婚が)合憲というのは当然だが、国としてパートナーシップ法のようなものを作り、相続の権利も国の家族法上位置づけるべきだと思っている」などと述べた。

 玉木候補が憲法24条の「両性の合意」を「両者の合意」に明文で改めることを提案したことについては、「理想論みたいな、あさっての話をいまはじめると、目の前の議論が止まってしまう。玉木さんの言う意味は分かるが、封印すべきだと思う」などと語った。

 差別解消法案について玉木候補は「超党派の議員連盟を作って超党派を越えた理解を高めていくことがまず大事。国政選挙で公約に明確に掲げ、そういったことを応援する議席を増やし、勢力を増やして法案を成立しやすい与野党の関係にしていくことが大事」だとした。

 LGBT諸団体有志との意見交換会のライブ動画はこちらで視聴可能です。※ライブ配信は Internet explorer 等の古いブラウザでは表示できない場合がございます。最新のブラウザでご視聴ください。
 https://www.pscp.tv/w/1lPJqknVYRwKb

 代表選挙のスケジュールはこちらでご覧ください。
 https://www.dpfp.or.jp/leadership-election/schedule