玉木雄一郎新代表は4日午後、就任後初の記者会見を臨時党大会後に開いた。

 この中で玉木新代表は、今後、党の情報発信力と政策立案能力を高めたいとして、選挙戦中より言及していたSNS対策本部の新設や、党のバーチャル・シンクタンク構想について触れた。また女性議員と青年議員の数を格段に増やす強化策を打ち出し、女性が活躍できる政党にしていきたいと語った。

 その後、記者団との質疑応答では、国会や次期参院選での野党共闘、コドモノミクス、憲法改正論議、今後の党運営、農業政策、次期参院選での政策、安倍政権との対峙(たいじ)方法などについて質問がなされた。

 国会や国政選挙で他の野党とどのような関係を構築していくのかという質問に対し玉木代表は、国会と選挙は一枚岩であること、国民から見てできるだけ分かりやすい構図が必要であることから、まずは次の臨時国会までに統一会派の呼びかけを行いたいとした上で、参院選についても、3・4人区などの複数議席区では野党がそれぞれ戦うのもやむ得ないが、1人区については共産党なども含めた何らかの調整の仕組みが必要との見方を示した。

 参院選での野党の共通政策について聞かれると、尊厳ある生活保障を作っていこうというのが国民民主党の基本的な立場で、どの世代も強い将来不安を感じている今、その不安を取り去ることを掲げて野党が結集すべきだ、との考えを述べた。また多くの人々の犠牲の下で一部の人たちが安心感を得ているのが安倍政権の政策であり、安倍政権のおかしなところ、とりわけおかしな税金の使われ方などについてはしっかりと議論していきたい、と強調した。

 今回、党員・サポーターの投票率が3割台とやや低調であったことについては、党勢の厳しさを受け止めると同時に、低投票率は長年の課題でもあり、今後、詳しく分析していきたいと述べた。また今回代表選に敗れた津村啓介議員らの処遇について尋ねられると、今回、約3分の1ほどの票(ポイント)が津村候補に投じられていることを受け止め、人事については適材適所をベースに挙党体制を築いていきたい、と述べた。

 次期臨時国会にも与党から提出が取りざたされる改憲案については、国民民主党は、もともと憲法をしっかりと議論するという立場であり、国民の目から見て必要だと思われる項目の改正については、積極的に議論に参加していきたい、と説明した。

 玉木代表が、代表選挙中に提唱した第3子以上を支援するコドモノミクス政策について、富裕層の優遇策ではないか、むしろ奨学金の返済支援などに資源を割くべきではないのか、という質問に対しては、奨学金制度の見直しについては国民民主党としてすでに返済不要の給付型の拡充案を提案していること、さらにすでに卒業した社会人をも含む総合的な支援の在り方を検討中であると説明した。また第3子を生んだ29才の主婦から代表選期間中にメールをもらったことに言及し、社会を「国民の家」と思えるような共生の社会を作りたいという理念の中で、経済的な理由だけで子どもを持つことを諦めるような状況を変え、社会全体で支えていこうというメッセージを発したいということであり、富裕層の優遇にはあたらない、とした。

 また農業政策について、政策の背景にある考え方や政府との違いについて尋ねられると、(1)政府の競争一辺倒の新自由主義型農政では地域を守ることができず、産業型農業と同時に地域政策としての農業に力点を置く(2)多様な担い手を尊重し、家族農業の意義も重視する(3)戸別所得補償の復活――を挙げた。

記者の質問に答える玉木新代表