あいさつする川合筆頭理事

 「なくそう!SOGIハラ」実行委員会が20日に開いた院内集会「第4回レインボー国会」で、国民民主党を代表して川合孝典参議院厚生労働委員会筆頭理事(写真上)があいさつした。

 川合筆頭理事は、「今回、ハラスメントという文言が法律に明文化されたのは画期的」だとして、「昨年、働き方改革関連法案の審議があったが、議論の発端になったのは、電通社員の過労自殺だった。なぜ、過労自殺が起こったのか検証がなされ、長時間労働による疲労と同時に、職場でのパワーハラスメントが背景にあったことが明らかになった。したがって、本当の意味での働き方改革を実現するためには、労働時間を見直すと同時にハラスメント対策を進めることが必要」だったとして、「昨年、民進党としてパワハラ規制法案を提出し、参院厚生労働委員会で審議も行ったが、その折は時期尚早ということで、残念ながら否決された。しかし、高まるハラスメント対策法制化の声を受けて、厚労省内にハラスメント対策室が作られ、ハラスメント対策を法的に議論される状況が整い、今国会でハラスメント対策の法整備が行われることとなった。問題を提起し、ファクトに基づいて議論を進めていくことが、このように与野党の垣根を超えて実現したことに可能性を感じている」と力を込めた。その上で、衆院より1.5倍くらい長い参院の付帯決議について「アウティング(性的指向・性自認の望まぬ暴露)については、雇用管理をする上で、会社はこの規定に配慮しなければならないと明示的に示した。同時に、ハラスメントの判断については、人によって判断が変わったり、尺度が変わっては困るので『平均的な労働者の感じ方』を基準にするように入れた」として、「少しでも具体的に書き込んでいくことが、政府の取り組みの後押しになろうとの思いであり、与野党問わず、この問題を前に進められるよう頑張っていきたい」と表明した。

あいさつする田名部議員

あいさつする田名部議員

 田名部匡代副代表もあいさつに立ち、「農林水産委員会所属だが、地元の青森で、LGBTの性暴力被害者を支援する方々と、この問題に取り組んでいる。今回の法改正の発端は、大切な命が失われたことだった。多くの関係者が、現場の苦しみ、誰かの悲しみ、その思いを持って、勇気ある行動を続けてきたことが今回、国会を動かした。議論はまだスタートしたばかりだが、大きなうねりとなって社会の意識を変えていくように、一人でも多くの方の苦しみや悲しみが社会の中からなくなるように、ともに活動していきたい」と表明した。

 小宮山泰子代議士会長は「誰もが互いに認め合い、尊重し合える社会を目指して取り組みを続けていきたい」とメッセージを寄せた。