外国人労働者の受け入れ制度に関するプロフェクトチーム会合

 国民民主党は16日、外国人労働者の受け入れ制度に関するプロジェクトチーム(PT)の会合を国会内で開いた。外国人労働者の受け入れ拡大に向け、政府が12日に関係閣僚会議を開いて出入国管理法などの改正案の骨子を公表したことを受け、PTでは関係省庁から法案骨子についてのヒアリングを行った。

司会を務めた大西健介厚労委理事と階猛法務委理事

司会を務めた大西健介厚労委理事と階猛法務委理事

 海外出張中の津村啓介座長、徳永エリ事務局長に替わりあいさつした階猛衆院法務委員会理事は「言うまでもなく、外国人労働者の受け入れに関する法案は次期臨時国会の最重要課題の一つ。受け入れ対象の業種や対象となる外国人の能力、あるいは滞在途中で帰国を求められる可能性について、まだ決まっていないということで、このままでは審議ができないというのが大西衆院厚生労働委員会理事と私の共通認識だ」と述べた。

質問する山井和則国対委員長代行(左右に源馬謙 太郎衆院議員、浜口誠参院議員)

質問する山井和則国対委員長代行(左右に源馬謙
太郎衆院議員、浜口誠参院議員)

 省庁による説明の後で行われた質疑応答の中で山井国対委員長代行は、「何万人くらい入ってくるかは、対象業種が決まっていないので分からないということだが、これは法案の大前提だ。今よりも外国人が倍増える話なのか、10倍増える話なのか。この数字によって国民の受け止めも根本的に変わってくる。階法務委員会理事が言ったように、法案には、せめて分野・業種を入れてもらわないと。何万人の話なのか、何十万人の話なのか。国民も判断のしようがないのではないのかと思う」「人手不足分野にどんどん外国人労働者を入れたら、その分野の賃金が上がらなくなる。例えば外国人介護士をどんどん入れていったら、日本人の介護職員がどんどん減っていくという悪循環に陥りかねない」などと指摘した。

質問する大野元裕参院議員(左右に斉木武志衆院 議員と原口一博国対委員長)

質問する大野元裕参院議員(左右に斉木武志衆院
議員と原口一博国対委員長)

 原口一博国対委員長も「法務省の官房長から、次の臨時国会に法案を出したいと聞いているが、これは通常国会の間違いではないのか。今の説明を聞いていると、ほとんどが『一概には言えない』というもので、内容が詰まったものではなかった。ということは、24日から始まるという臨時国会には出さない、ということでよろしいのか。2点目は、一体この新制度によりどれくらいの財政措置が必要になると考えられるのか。業種も人数も未定ということは、予算措置する額も不明だということなのか? 3点目は、もしこの法案が国会に出てくるのであれば、重要広範議案だと思っている。聞くところによると、安倍総理は重要広範議案にするつもりはないようだ。しかし総理大臣がこれほどの移民政策をやるのであれば、自ら説明すべき大きな課題だ。臨時国会に提出するつもりならば、もっと内容を詰めた上で、総理自らが応えられるようにして法案を出してほしい」などとただした。

 これらの質問に対し法務省からは「年金、保険などの財政措置についても、御指摘の通り、受け入れ分野と全体のボリュームが見えてきていない現状では、具体的な数値を含めた財政措置の検討というところまでは至っていないかもしれない。政府全体の関係閣僚会議やタスクフォース等を通じ全体で外国人受け入れ拡大を検討している。各省庁でさまざまな検討をしていただいている」との回答があった。

 今後の工程表については「7月24日の閣僚会議で総理から4月の施行を目指して準備をするようにと指示を受けている。現段階は骨子という状況だが、それに向けて準備を進めている」との法務省の回答に対して、原口国対委員長は「来年の4月の施行は無理ではないか。4月施行ならば、予算措置の規模はいつ頃確定するのか」などとさらに質問した。

 工程表の提出や、いくつかの追加質問に対する回答については、次回会合までに提出するよう関係省庁に求めた。

PDF「「外国人労働者PT」回答のお願い」「外国人労働者PT」回答のお願い