原口一博国対委員長

 「国会を10月末に開くなどという話は完璧な責任放棄」。4日、野党共同会派は国会で感染実態解明合同ヒアリングを開催。冒頭、原口一博国対委員長が挨拶し、「現状のような荒いロックダウンではとても感染拡大を防げない」と、新たな立法措置の必要性を訴えた。この日のヒアリングでは、観光庁・厚生労働省・内閣官房を呼び、新型コロナの感染拡大を受けたGo Toトラベルキャンペーンの現状、お盆休みへの政府対応、マスク配布等について聞き取りを行った。

  新型コロナウイルスの感染が全国に広がる中、ヒアリングではGo Toトラベルキャンペーンの行方について関心が集まった。特にキャンペーン対象となっている宿泊施設から感染者が出た場合の政府の対応について、参加者の質問が集中した。先月、福井県から沖縄を訪れた観光客の感染が発覚したケースについては、この観光客が利用した宿泊施設がGo Toキャンペーンの対象となっていたのかどうか、野党側が事前に照会を求めていたにも関わらず、このヒアリング時までに役所側からの回答はなかった。

 政府側からは、7月22日のキャンペーン開始以来、感染者の情報は「上がってきていない」との報告があった。しかしその後の質疑応答の中で、感染者の発生について観光庁側に報告が上がるのは、宿泊客が現に宿泊している場合のみであること、滞在後に感染が発覚したケースは報告されないことが明らかになった。また観光庁にはGoToキャンペーンが感染拡大に拍車をかけるという認識はあまりない様子で、何某県の有名ホテルのスタッフが感染した事例を把握していないなど、感染発生に関する情報を積極的には収集していないことが、この日のヒアリングでも露呈された。

 参加者からは「Go Toキャンペーンを即刻止めてもらえないか。感染が拡大する中、医療資源が限られているところに観光客を送り込むなどありえない」「一方でGo Toキャンペーンをやりつつ、お盆休みの里帰りについては慎重判断を求めるなど、政府の対応はチグハグだ」といった意見が出た。