伊藤孝恵 参院議員

 「ソーシャル・ディスタンスのとれた屋外でもマスクは必要なのか」。3日、新型コロナ対策をテーマに参院予算委員会で閉会中審査が開催され、国民民主党から伊藤孝恵議員が質問に立った。伊藤議員は(1)今後の増加も予想される「自宅療養者」への支援拡充(2)コロナで親が倒れてしまった子どもへの支援策(3)現在、自費で行われている退院者のPCR検査への国の支援(4)高齢者や基礎疾患を持つ人々に対するPCR検査体制の拡充(5)ソーシャルディスタンスがとれている屋外にいる場合のマスク着用についての考え方──等について加藤勝信厚生労働大臣を質した。

 伊藤議員はまず、現在増えているとされる自宅療養者に対する「配食サービス」などの生活支援について取り上げた。こうした生活支援について、コロナ患者が再び増える可能性のある秋冬に向け、拡充しておく必要があるのではないか、と質した。また厚労省が一食当たり1,500円を上限として交付金を充てる制度を創設したり、愛知県内の市町村のうち現在3分の1程度の市町村で生活支援策を導入しているにもかかわらず、愛知県が管理する保健所が感染者情報を共有していないため、プッシュ型の支援が難しい現状について取り上げ、コロナ患者の情報共有のあり方について質した。

 また、ひとり親家庭の親が倒れた時や夫婦が共倒れになった場合「子どもはどのように暮らし、学校に通ったらいいのか」と問いかけ、こうした場合の子どもへの支援策を訴えた。さらに、退院した元患者に対して企業などが陰性証明を求めるケースなどがあり、こうした人々は自費でPCR検査を受けていると指摘。「実態社会を鑑みて、退院の時に希望する方に対しては、検査費用の支援をすべきではないか」と質した。

 最後に、文科省が、夏休み後の授業再開を前に熱中症対策として、基本的に常時着用というマスクの指針を見直したことを取り上げ、大人でも「フィジカルディスタンスが取れている屋外の場合、マスクは必要なのか」と質した。これに「新しい生活様式における熱中症予防行動のポイントでは、屋外で人と2メートル以上の十分な距離を確保できる場合には、マスクを外すということも推奨している」と答弁した加藤厚労相に対し、伊藤議員は「『マスク警察』という言葉もある。こうした場合はマスクを外してもいいんだ、と各大臣からもぜひ発信をして頂きたい」と述べ、質問を終えた。

PDF「9月3日参院予算委配布資料(伊藤孝恵議員)」9月3日参院予算委配布資料(伊藤孝恵議員)