衆院本会議で25日、安倍内閣不信任決議案が審議され、国民民主党の泉健太政務調査会長が賛成の立場から討論した。安倍政権がアベノミクスを喧伝(けんでん)するものの「待てど暮らせど、国民の生活、地域の経済は向上しない。北方領土問題、拉致問題、と注目を集める発言はあっても、いっこうに成果は出ていない」と断じ、このように国民を疲弊させ、自らの権力基盤のみを強化しようとする安倍内閣には不信任を求めると述べた。
具体的な不信任の理由として、実質経済成長率、倒産件数、可処分所得、実質賃金指数、労働分配率などの経済指標を示し、アベノミクスが停滞をもたらしていると問題視。2000万円年金報告書問題では、麻生大臣が諮問したにもかかわらず、報告書を受け取らなかったり、部下に責任を押し付けたりするなどの無責任な対応を批判した。イージスアショア配備をめぐる候補地選定に関して、防衛省が調査ミスを連続させたり、秋田と山口という結論ありきで進めてきたことから、岩屋大臣の責任を追及した。さらに、知事選を含めて3度連続で辺野古基地新設に沖縄県民が反対の意思を表明したにもかかわらず、安倍政権が埋め立てを強行したことにも強く抗議した。
このような各地で引き起こされている安倍政権の不誠実な姿勢や国民生活の衰退について泉議員は「黙って見過ごすことはできない」と表明。「わが国は安倍総理を不信任し、新たな内閣を発足させねばならない局面に来ている」と宣明した。そして安倍政権がアベノミクスのその先を実現できないならば、「私たち国民民主党と野党各党が力を合わせて『家計第一』のもと、児童手当の増額、子育て支援、年金、地域経済の観点から、家計を徹底的に温める政策で国民生活を支援する。今こそ、野党から建設的な政治勢力を構築していくほかはない」と言明し、討論を終えた。