泉健太政務調査会長

国民民主党 政務調査会長 泉健太

  安倍総理とトランプ米大統領は、ニューヨークでの日米首脳会談において日米貿易協定に関し最終合意を確認したとして、共同声明に署名しました。

 今回の共同声明には「両国は協定が誠実に履行されている間、協定及び共同声明の精神に反する行動はとらない」との曖昧な表現しかなく、日本が最重要とする自動車関連分野において、追加関税の回避や自動車関税の撤廃の確約もないまま、農林水産物を譲ったのが今回の交渉の本質です。

 政府は、トランプ大統領の自動車に対する数量制限や追加関税の脅しに完全に屈服し、農林水産品の市場を差し出しただけで、全くウィン・ウィンとなっていません。さらに、GATT24条が求める「実質的に全ての貿易」について関税撤廃にはなっておらず、WTO協定に違反するような中身です。国民民主党は、今回の合意が国益に反するものであり、受け入れるべきではないと考えます。

 協定の詳細が国民や国会に示されないまま、協定を結ぶことだけ合意するなど断じて許されません。政府・与党は、最終の署名までの間に、今回の合意について、合意内容や経緯及び影響試算などの情報を速やかに国会に提供し、関係委員会で審議に付すべきです。

 そして、政府には「更なる交渉による関税撤廃」と明記された自動車・自動車部品分野をはじめ『国益を守れ』との国民の声に応えるべく、最終の署名まで、さらなる交渉で成果を獲得すべきです。