2019年国民民主党「女性議員ネットワーク会議」総会・研修会

 2019年国民民主党「女性議員ネットワーク会議」総会・研修会が28・29日の2日間の日程で兵庫県明石市で開かれ、第1目の28日に今後の活動に関する「2019年度重点政策と行動計画案」が採択され、一致して取り組むことが了承された。全国からは約60人の女性議員が参加した。

  今回の会議は、同会議世話人の強い希望によって、全国に先駆けて子育て世帯の経済的な負担の軽減等に取り組んでいる明石市の事例を学びたいという考えから同市での開催となった。研修会は3つのテーマに関して行われ、「女性の選挙総括について」野澤髙一・株式会社アノン代表取締役・選挙プランナーが、「国民民主党の政策について」泉健太政務調査会長が講演した。

国民民主党の政策について講演した泉健太政務調査会長に参加者から次々に質問が寄せられた

国民民主党の政策について講演した泉健太政務調査会長に参加者から次々に質問が寄せられた

 泉房穂明石市長は「ALL for ALLのまちづくり~やさしい社会を明石から」と題して、「子どもを核としたまちづくり」について講演した。「すべての子どもたちを」「まちのみんなで」「本気で応援すれば」「まちのみんなが幸せになる」との思いで、市長就任1期目から取り組んできたと泉市長は語り、対象はすべての子どもたちで「困難な状況にある1%の子は難しいといった考え方に立たない。100%、ひとりも置き去りにしませんし、所得制限もしない」と強調した。こうしたまちづくり行ってきた結果、子育て世代への恩恵だけにとどまらず、子育て世代の流入増加に伴う、まちの好循環の加速につながり、年間約2000人の人口増を6年連続して達成するとともに6年で25億円の税収増も実現。財源確保につながるとともに市民全体の満足度の高まりとなっていることなどについても語った。

子どもを核とした街づくりについて熱く訴える泉房穂明石市長

子どもを核とした街づくりについて熱く訴える泉明石市長

こくみんうさぎも加わって記念撮影!

こくみんうさぎも加わって記念撮影!左から泉明石市長、小宮山泰子衆院議員、玉木代表、矢田わが子参院議員、徳永エリ男女共同参画本部長

    総会は九州ブロック世話人の近藤里美福岡市議会議員が開会を宣言し、北関東ブロック世話人の設楽詠美子茨城県議会議員が2018-2019活動報告に立った。報告で設楽議員は、「ネットワーク会議は2002年に『男女共同参画の実現をめざし、女性議員ゼロをなうそう!』『女性議員をさらに一人プラスしていこう!』『女性議員一人ひとりが福祉や教育、子育てなどのテーマをもって行動し、分権時代にふさわしい地域行動を巻き起こしていこう!』と呼びかけ、私たち自身が設立した組織です。これまで培ったネットワークを大切にしつつ、今後どのように活動を展開していくべきか、意見交換させていただきいと考えてる」とあらためて同会議の位置づけについて語るとともに、活動報告を行った。

 続いて南関東ブロック世話人の曽我部久美子神奈川県議会議員は採択に向け、同会議としての2019年度重点政策と行動計画(案)を提示した。目指す社会の実現に向けて取り組むべき重点政策として(1)一人ひとりの人権を尊重する社会へ(2)安心して働き続けることができる社会へ(3)地域全体で子どもを育てる社会へ(4)自然豊かな平和な社会を――の4項目を掲げた。女性議員のネットワーク強化に向けては(1)女性の仲間の拡大によるネットワークの拡大(2)一人ひとりの知識と経験を積み重ね、より強固なネットワークづくり(3)国民民主党による男女共同参画の実現――の3項目を掲げ、それぞれの具体的な取り組みを盛り込んだ。曽我部議員は「一人ひとりでは実現できないことを問題化して、私たちのネットワークをさらに強化することでいろんな課題を前に進めて行こう」と呼びかけ、女性議員を増やしていくことで問題解決につなげていくことの意義を語った。

あいさつに立った玉木雄一郎代表

あいさつに立った玉木雄一郎代表

 総会であいさつに立った玉木雄一郎代表は、「さまざまな課題をかかえる日本社会において、これから一段と女性の政治分野への参加をいろんな形で応援していかなければならないという思いを強くした」と語った。そのうえで、党役員の構成について半数を女性にしていく努力をしていく意向を示し、「男女同数になるように、特に執行部門において男女比率を同数となるように努力していく」と宣言した。

 また夏の参院選の政策はまだまだ生煮えのところがあったと振り返ったうえで、「泉政調会長からも説明があったが、綱領にも盛り込まれている通り、未来に責任をもつ政党として、われわれは本気で次の世代のための政策を行う集団だということを訴えていく。ブランド化していく」と力説した。また、20代に光を当てた政策の重要性を指摘し、世代減税・世代免税の考え方を党内にも提案していく意向を示した。孤独対策にも力を入れていく考えを語り、「地域の声、女性議員ネットワークの声を受け止めてつくりあげていきたい」と述べ、力を寄せてほしいと求めた。

懇親会では平野博文幹事長があいさつ。女性議員ネットワークメンバーの各地での積極的な取り組みにエールを送った。

懇親会では平野博文幹事長があいさつ。女性議員ネットワークメンバーの各地での積極的な取り組みにエールを送った。


■記者ぶら下がり

 会議終了後に玉木代表は、大学入学共通テストに導入される予定の英語民間試験に関して萩生田文部科学大臣が「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」などと発言したことに関して「説明不足のとことがあった」として発言の問題点を認めて大臣が謝罪したことについて受け止めを問われて発言した。「発言に対してそもそも私は憤りを感じている。特に家庭が経済的に恵まれていないような家庭では子どもたちは親の状況を敏感に察知して本当は行きたい私立があるのに公立にしたり、あるいは大学自体をあきらめるという子どもが多いのも事実。そういう子どもたちに対して『身の丈発言』を教育行政の責任者が発してしまったことの重さ、傷は簡単には消えないと思う。行うべきは身の丈に応じてやれというのではなく、思う存分好きなだけ学べるよとメッセージを出すことが文部科学大臣としては大事なのであって単に説明不足などということで済まされることではない」と指摘した。
 この問題についてあらためて国会で問いただす考えを示すとともに、「子どもたちのために文部科学大臣は発言を撤回し、訂正し、あらためて謝罪すべき」と語気を強めた。