20200205

 屋良朝博(やら・ともひろ)議員は5日、衆院予算委員会の基本的質疑に立ち、名護市辺野古の埋め立て事業や普天間飛行場の機能移転などを中心に安倍総理と河野防衛大臣に質問した。

 政府が昨年12月末、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画の工期を当初想定の5年から12年に、総工費を当初計画額の約3倍となる約9300億円に再試算した見直し案について、屋良議員は「モンスター事業だ」と断じた。沖縄県の小学校ではオスプレイやヘリコプタからの落下物から身を守るシェルターを設置しなければならない危険な現状を説明し、辺野古が唯一の解決策だとする姿勢を崩さず、沖縄県民の声に耳を傾けようとしない安倍総理に「これから12年間このまま放置するのか」とただしたが、明確な答弁はなかった。

 屋良議員は1950年代に岐阜、山梨、静岡、大阪、奈良に所在していた在日米軍が沖縄に移転した推移を説明し、政府の沖縄県内移設案では沖縄県に過度に集中する負担の是正にならないと訴えた。

 普天間飛行場の機能移転について、オスプレイなどの運用機能(パイロットの飛行訓練・地上戦闘部隊との連携訓練)の県外移転を河野防衛大臣に提案したが、具体的な回答は得られなかった。

 また、日米合意による米軍再編によって、在沖縄米海兵隊がどう変わっていくのか、河野防衛大臣に質問したが、明解な回答はなかった。

 屋良議員は安倍総理に「沖縄県を12年間放置するような政治はやめてほしい」と求めた。