大西健介議員

 衆院本会議で28日、2020年度政府予算案の討論が行われ、大西健介議員が反対の立場から討論を立った。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために予算を計上する提案を与党が否決したことに「新型コロナ対策予算を1円も入れずに通そうとするのは理解できない」と強く述べた。

 大西議員は、「国民の命と健康を守るため、私たちは、与野党の枠を超えて、加藤厚労大臣の予算委員会出席への柔軟な対応を含めて、協力できることは協力するという姿勢を貫いてきました」と新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための積極的な提言を国民民主党が行ってきたことに触れた。

 それにもかかわらず政府側は、新型コロナウイルス対策本部会合に複数の閣僚が地元会合を優先して欠席したことや、多くの国が中国全土からの入国を禁止しているにもかかわらず、日本は湖北省のみに限定するなど「水際対策に失敗したことは明らかだ」と緊張感のない対応をしていると指摘。


 集団感染を起こしたクルーズ船からの下船対応についても野党が警告していたにもかかわらず、「案の定、陽性が出た」と強調した。

 唐突な小中学校・高校等への臨時休校の要請には不安の声が多くあがり、インバウンドの大幅な減少、サプライチェーンへの影響、経済活動萎縮、消費マインドの冷え込み等、後手にまわった対応による経済への影響を列挙した。

 他に現職国会議員が逮捕されIRの正当性が根底から問われていること、東京高検検事長の定年延長は違法の疑いがあること、「桜を見る会」での安倍総理の公職選挙法違反の疑いなど、政権に多くの問題・疑惑があることをあげ、「安倍政権がお友達の意見だけに耳を傾け国民の声を聞く気がないならば、それに代わる政権を一刻も早く打ち立てなければならない」と強い決意を述べた。


 2020年度予算案は与党等の賛成により可決された。

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