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2020年3月5日
核不拡散条約(NPT)発効50年にあたって(コメント)
国民民主党 政務調査会長 泉健太

 1970年3月5日に核不拡散条約(NPT)が発効してから、本日で50年を迎えました。核不拡散条約は190カ国以上が加入する国際的な核不拡散体制の根幹であり、核兵器の国際的管理に貢献してきました。75年前の広島、長崎の悲劇を繰り返さないという人類全体の思いに根差した、叡智と努力の結晶です。NPT条約は今後も厳格に維持していかなければなりません。

 NPT条約は核保有国に核軍縮条約の交渉を義務付けており、冷戦終結後、米ロ間で中距離核戦力(INF)全廃条約や戦略兵器削減条約(START)が締結され、7万発を超える核弾頭数が、現在では約1万4千発となりましたが、核兵器廃絶へは道半ばです。

 昨年は米ロがINF条約を破棄し、米軍が戦術核を実戦配備するなど、NPTの軍縮交渉義務に逆行する動きをしており、また、中国も核軍縮の交渉に否定的です。日本は唯一の戦争被爆国として、核保有国に対してNPT条約の求める核軍縮の責任を誠実に果たすよう強く求めていくと同時に、非加盟国への働きかけを続けていかなければなりません。

 来月4月には5年に一度の、一層の核軍縮に向けたNPT再検討会議が予定されています。残念ながら、5年前の2015年のNPT再検討会議では成果文書を取りまとめることができませんでしたが、今年のNPT再検討会議で成果を出すことは、NPT体制を維持するために必須です。

 2017年に採択された核兵器禁止条約は核保有国と非保有国との間の対立を浮き彫りにしました。多くの非保有国は日本に核兵器禁止条約に署名するとともに、核保有国と非保有国の間の橋渡しの役割を果たすことを期待しています。日本政府はその期待に応え、来月の検討会議で成果文書が採択できるよう、あらゆる努力をすべきです。

 国民民主党は、核不拡散条約50年にあたり、決意を新たにし、今後とも広島・長崎の皆様、そして国民の皆様とともに核不拡散体制の維持、核兵器廃絶にむけて全力を尽くして行きます。

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