参院本会議で18日、政府提出の「生活困窮者自立支援法等改正案」に関して、国民民主党・新緑風会から浜口誠議員が質問に立った。

 本法案は、生活困窮者等の一層の自立の促進を図るため、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化、生活保護世帯の子どもの大学等への進学支援、児童扶養手当の支払回数の見直し等の措置を講ずるほか、医療扶助における後発医薬品の原則化等の措置を講じようとするもの。浜口議員は、「生活困窮者など、弱い立場の人々に寄り添うのが政治」との党理念に基づいて加藤厚生労働大臣の見解をただした。

 大学等への進学率は7割を超えているにもかかわらず、生活保護世帯の進学率は約35%と極めて低い状況にある。浜口議員は、その大きな原因の1つである「世帯分離」問題について取り上げた。現行制度では、生活保護を受給しながら大学などに通うことが認められていないため、子どもを進学させるには、受給対象から外す「世帯分離」しなければならない。それによって、生活保護費が減額となり、結果として進学を選べない子どもたちがいると指摘。「子どもたちは、生まれる家庭を選ぶことはできない。進学を希望する子どもたちのために、世帯分離を見直すべきだ」と迫った。

 加藤厚労大臣は、「高校卒業後、就職する方や生活保護を受給されていない方とのバランスを考慮して慎重に検討していくべき課題」との基本認識を示した。そのうえで、「本法案で進学準備給付金を創設するなどの措置を講ずるとともに、文部科学省とも連携し、新しい経済政策パッケージに盛り込まれた高等教育の無償化などに取り組む」との方針を示した。

 「子ども食堂」に関しては、民間の調査が直近2年間で約300カ所から約2300カ所へと急増している実情を明らかにしていると指摘し、「政府として子どもたちへの食事提供に関して積極的な支援を行うべきだ」と提案した。加藤厚労大臣は、「子ども食堂」を「大変有意義な活動」と評価し、「国としてどのような支援や助言が適切か、関係者の意見を聞きながら今後とも考えていきたい」と答弁した。

参院本会議生活困窮者自立支援法改正案浜口誠議員質問予定稿