参院決算委員会で2016年度決算等の締めくくり総括質疑が18日に開かれ、国民民主党の石上俊雄議員が質問に立った。

 石上議員は冒頭、大阪府北部で起きた震度6弱の地震で被害にあわれた方々に対して哀悼の意とお見舞いの気持ちを表した後、国民民主党としても、震災情報の共有のため、党の大阪府連を中心に「大阪府北部地震対策情報連絡室」を立ち上げたことを伝え、政府との連携を表明した。また阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本大地震といった、これまでの大規模な地震災害の経験から想定される、さまざまな企業・NPO・個人からの善意の支援の申し出に対する現在の受け入れ準備の状況について尋ねたところ、菅官房長官から「今後、災害ボランティアセンターを運営することとなる社会福祉協議会等を点検し、しっかり対応していきたい」との回答を得た。

 シンガポールで12日に開かれた米朝首脳会談をめぐっては、(1)米朝共同声明には従来、日米が求めてきたCVID(完全かつ検証可能で不可逆的非核化)は盛り込まれず、北朝鮮の約束「完全な非核化」は定義があいまいで、ひどいディール(取引)ではなかったのか(2)「完全な非核化」の意味が曖昧・不明な段階で「初期コストを支援する用意はある」とはあまりに軽率すぎないか(3)「米韓演習中止」や「将来的な在韓米軍削減」のトランプ発言を事前に聞いていたのかどうか、この発言を受けた新たな北東アジアの安保環境についての認識――といった点をただした。(2)に対しては、菅官房長官から「初期コストの負担は、非核化やIAEAなどによる核査察が前提だ」といった答弁を引き出し、石上議員は、非核化で恩恵を被る全ての国と、よく協議を重ねた上での負担ならばやぶさかではない、と応じた。

 経済財政諮問会議で取りまとめられ15日に閣議決定された政府・与党の経済財政政策の基本方針(「経済財政運営と改革の基本方針2018」、通称「骨太の方針2018年」)に対しては、財政健全化に本当に資するかどうかに疑問を提起し、次の点をただした。(1)プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化目標が挫折(2020年から25年に延期)した理由(2)「経済再生なくして財政再建なし」の決まり文句を繰り返し、財政再建を先送りするだけでは、早晩、年金支給開始や消費税率をさらに引き上げざるを得なくなり、次世代の負担をさらに大きくしかねないことから、苦しくても過剰な財政出動や金融政策依存から早く脱却を図るべきではないか――など。