参院で4日、政府提出の「健康増進法の一部を改正する法律案」の趣旨説明と質疑が行われ、国民民主党・新緑風会の浜口誠議員が登壇した。浜口議員は、(1)受動喫煙防止の必要性(2)受動喫煙防止に対する国及び地方公共団体の責務(3)厚生労働省当初案からの変更について(4)20歳未満の者や従業員への配慮について(5)嫌々受動喫煙への対応(6)違反者への対応と保健所の体制(7)加熱式たばこへの対応(8)「第2次健康日本21」について(9)FCTC条約(たばこ規制枠組条約)の履行について――などの論点に触れた。

 本法案は、望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、当該施設等の管理について権限を有する者が講ずべき措置等について定めるもの。基本的考え方は(1)「望まない受動喫煙」をなくす(2)受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮(3)施設の類型・場所ごとに対策を実施――としている。

 国民の約8割以上が非喫煙者でありながら、非喫煙者の多数が飲食店や職場などで受動喫煙にあっている(2016年国民健康・栄養調査)実態を浜口議員は紹介。 WHO(世界保健機関)によれば17年5月時点で毎年約89万人の非喫煙者が受動喫煙により死亡していることなどに触れた。

 受動喫煙防止対策は健康増進法や労働安全衛生法に規定されているが、受動喫煙防止のための設備の設置促進が国の努力義務とされているほかは、国・地方公共団体が取り組むべき施策について法律に定められていないことや、喫煙可能な場所に20歳未満の者を立入禁止と定めても、一人ひとりの年齢確認は現実的ではなく、管理権限者等が20歳未満の者を立ち入らせた場合の罰則もなく、実効性ある対策となるのかなどさまざまな論点について疑問を呈した。

 自身が非喫煙者であることを明かした浜口議員は、「たばこを吸う人も吸わない人もお互いへの理解を深め合い、受動喫煙のない日本社会をともに作り上げていきましょう」と呼びかけた。

参院本会議健康増進法改正案質疑浜口誠議員予定稿