玉木雄一郎代表は2日午後、奈良市内にある「社会福祉法人ぷろぼの」新大宮事業所を党奈良県連所属の林浩史大和郡山市議、工藤将之櫻井市議らとともに視察した。ぷろぼのは、障害があり、これから福祉サービスを利用することを考える人に、相談から見学、訓練、就職及び、申請手続きの準備が可能になるように、ワンストップで総合的な福祉要件を満たすことができることを目指し事業を展開している。
奈良県産の木材を使い、CLT法によって建てられた木造5階建ての事業所内には、就労移行支援プログラムを提供する「テクノパーク」、自立訓練に取り組む「アースカラーズ」、社会で必要とされる基礎的スキルを学ぶ「スコラ」、福祉的配慮を受けて働ける「ITセンター」、施設利用者に食事を提供する「ぷろぼの食堂」が入っている。
ぷろぼの理事長の山内民興さんは、人が人らしくいられる環境に関して「良い空気と良い木の香りで環境がよければ人間のストレスが軽減される。そこでは自分たちが力を入れなくても社会で生きるためのいろいろな要素を教えてもらえる。いろいろな知り合いができる。ここに来て食べて、知り合いができて、いろいろな話ができる。こういうことが人間にとって一番大切で、それをあまり警戒せずに行える施設づくりが大事だ」と語った。
社会福祉や政治のあり方については、「福祉のベースはお互いさま。競争ではなくてお互いを尊重し合うことが大事なので、そこを基盤にしていろいろな政策や制度を作り、活動していかないと。あまり競争とか成果とか実績とかばかりに目が行くと、本当のところを見誤りはしないか心配している」と指摘した。
木の香りに包まれ、気配りの行き届いたぷろぼのの施設に感銘を受けた玉木代表は、障害者にとどまらず、ぷろぼのの取り組みが高齢者の就労支援にも役立つと指摘。「加齢によって身体と頭脳の能力が落ちてきて障害とまで言えないが、できる範囲でやれることをやりたい高齢者にどのような就労支援をするのか。障害者就労支援と境なくつながっていくところに全ての働く人の働き方の世界が広がっていく」と述べた。