玉木雄一郎代表は6日、広島市内の平和記念公園で開催された「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(平和記念式典)」に参列し、原爆死没者への慰霊と世界平和への祈りを捧げた。式典には、柳田稔、森本真治両参議院議員も参列した。
■人の手によって造り出された核兵器は、人の意思によってしか廃絶することができない
式典後、玉木代表は原爆ドームの前で「広島に原爆が投下されてから75年。当時、75年間は草木も生えないと言われたこの広島は、いま先人たちの努力によって緑の溢れる、人々が行き交う素晴らしい町になった。一方で、この75年間、核廃絶の願いは達成することなく、むしろ今、核廃絶に向けた動きは大変厳しい状況を迎えています。唯一の戦争被爆国として、日本は『核なき世界』、核廃絶に向けた努力を先頭に立って行なっていかなければならない。人の手によって造り出された核兵器は、人の意思によってしか廃絶することができない。世界と連帯を深め、核なき世界、核兵器のない世界に向けて、いっそう努力することをお誓い申し上げ恒久平和の祈りとしたい」と決意を語った。
■核廃絶、核軍縮に向けた歩みをさらに強化すべき
玉木代表は広島市内で党広島県連役員と意見交換などを行った後、記者団の取材に応じた。平和記念式典について「新型コロナの影響で、去年と比べて違った様相の式典だった。あらためて75年という長い月日を経て、今なお核廃絶が実現できてないということは唯一の戦争被爆国である日本の政治家の一人として大変申し訳なく、被害者のみなさんにもそういった思いを新たにした。核なき世界の実現に向けて今一度、世界と連帯して取り組んでいかなければいけない覚悟を固めた」と振り返った。
つづいて、「核廃絶に向けた世界の流れがむしろ逆行している状況になってきている。特にトランプ政権になってからそうした動きが加速していると思う。逆流を決して許さず、核保有国と非核保有国との間の橋渡しに具体的な役割を日本が果たしていかなければならないと思っている。来年期限が切れる新START(戦略兵器削減条約)については、延期を求めていかなければならない」とし、国会議員が与野党を超えて、核廃絶、核軍縮に向けた歩みをさらに強化すべきとの考えを示した。
また、「黒い雨」訴訟について「地域を限定することなく、1人1人の被害者に寄り添って対応すべきだという地裁の判決の趣旨に賛同する。わが党としても、国に控訴しないように働きかけをしっかりとしていきたい。被爆された方が高齢化しており、残された時間も短くなってきていることも考えれば、ここが政治決断の時だと思う」と語った。
さらに、旧陸軍被服支廠の保全について問われ、「今年2月に視察させていただいた。原爆の悲惨な被害を後世に伝える遺構として、ぜひ残すべきだ。どの部分を残すのか、残すにあたっては費用負担の問題もあるので、国・県・市がよく連携をとって進めていく必要がある。何らかの残す方向性が固まれば、関係省庁に対して働きかけ、全面的に協力していきたい」と述べた。