美波町沿岸のワカメ養殖場を視察する近藤和也政務調査会第四部会長、庄野昌彦県議ら

 党徳島県連は16日、美波町で改正漁業法に関する漁業従事者との懇談会を開き、党本部から近藤和也政務調査会第四部会長が出席した。

改正漁業法説明会で漁業従事者らと意見を交わす近藤部会長

改正漁業法説明会で漁業従事者らと意見を交わす近藤部会長

 冒頭、県連代表の庄野昌彦県議があいさつに立ち、「私たちが生活していくうえで第1次産業は重要な産業だ。過疎化が進み人口や収入が減少しているが、それを食い止めて、ここで漁業をすれば子育てしながら生活ができる『共に生きる社会』を作っていかなければならないと考えている。国民民主党は皆さんとの対話を重ねながら今後の新しい答えを見出していきたい」と述べた。

 そして昨年の臨時国会で成立した改正漁業法の国会での審議経過や改正法で指摘されてきた問題点などについて近藤部会長が説明。「改正法施行後2年以内で、漁業者の意見を聞いてしっかりとした制度をつくりあげていく」とか、既存の漁業者が漁業権を継続できる「適切かつ有効に活用している基準」は「具体的には国が都道府県の意見を聞いた上で、今後、ガイドラインとして都道府県に示す予定」との農林水産省の見解について、「そうしたことをきちんと決めて、妥当かどうかを国会で十分に審議していくことが筋であって、まだ決まっていません、でも大丈夫ですよ、ということだけでは、漁業を営む方は不安だと思う」と指摘した。参加した漁業従事者の方からは、今回の改正に含まれている船舶ごとの漁獲割当(IQ)やトン数制限など船舶の規模に関する見直しや、これからの漁業権のあり方などについて質問があり、近藤部会長が回答しつつ、意見交換を行った。

 最後に地元美波町議会議員の北山朝彦県連政調会長が、今回の改正部分はこれからも勉強して、恣意的な介入が行われないきちんとしたルール作りのため、現場の声を聞いて国政や県政へ届けていきたい、とあいさつし、説明会を締めくくった。

 続いて、近藤部会長とともに美波町沿岸のワカメ養殖場を視察し、意見交換を行った。夏場の素潜り漁が主体だった美波町地区の漁業は、漁獲量の不安や漁業者の高齢化を背景に、これまで無縁だった養殖漁業に挑戦し、漁業者有志で「美波の海の恵み研究会」を結成。苗の入手、漁具の製作や加工機械の開発、販路の開拓など、試行錯誤を繰り返し、ヒジキやワカメの養殖を手掛けた。その結果、現在、ワカメは徳島県美波産の新ブランド(明けの春姫)として定着し、ヒジキも一定の成果を収めている。現地の漁業関係者からは、天候上休漁が多くなる1月から2月の時期を利用して、ワカメの収穫や試食を体験型観光として挑戦していきたい、と今後の展望について説明を受けた。

肉厚で良質なワカメが収穫される現場を視察した

肉厚で良質なワカメが収穫される現場を視察した