玉木雄一郎代表記者会見

2019年5月15日(水)14時09分~14時38分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/cjEL6cTk2lg


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○丸山議員発言問題について

【代表】
 まず、維新の丸山議員の件でございますが、言語道断の発言だと思います。
 やりとりを前後も含めて全て確認いたしましたが、まず、元島民の団長に対する言葉として、そもそも年長の90歳になろうとするような人生の先輩に対する態度なのか。これは政治家以前の問題として、人としてどうなのかということを強く感じました。
 そして、まさに戦争によってふるさとを奪われ、筆舌に尽くしがたい苦しみとさまざまな思いを持ちながらこの間活動をされてこられた、島民の皆さんに対してあのような発言をすることは怒りに震えます。私も元島民の皆さんとお話をさせていただきましたし、我が党は北方領土問題については他党に比べても相当いろいろな思いを持って踏み込んでこれまでも取り組んできた自負もありますので、戦争で取り返すようなことを言うということはあり得ないことですし、離党はされたようですが、維新の中でいろいろな議論がなされているそうですが、やはり議員辞職すべきだと思います。
 きょう馬場幹事長も、辞職勧告決議案が出れば賛成するとも言っているようですが、我々としても、これは個人の問題だけではなくて、沖北の委員会として、あるいは院として人を派遣して行っている事業ですから、やはり衆議院としても、国会としても一定のけじめをしっかりつけなければならないと思いますし、憲法9条1項、あるいは国連憲章、こういったことから考えても、やはり戦争によって何か物事を解決するという手段をとらないということが戦後秩序の大きな柱であり日本の平和主義の根幹だったと思いますから、戦後日本の追求してきたこの平和主義の根幹を脅かす、その芽となり得る案件だと思っていますので、軽々しく取り扱うものではなく国会としての意思を明確に示すべき。そう思います。

○白須賀文科政務官の在京当番時不在問題について

【代表】
 次に、白須賀文科政務官がいわゆる在京当番をせずに選挙区に帰っていたという案件であります。
 文科政務官といえば原子力行政を所管しておりますし、何らかの重大事故が発生したときには最初に任に当たらなければならないということですから、危機管理能力あるいは危機管理意識の著しい欠如だと言わざるを得ませんし、これも安倍政権のおごりと緩みがあらわれていると言わざるを得ないと思います。

○沖縄返還から47年に当たって

【代表】
 次に、本日5月15日は、昭和47年に沖縄がアメリカから日本に返還された日であります。
 これまでの苦難の沖縄の歴史にしっかりと寄り添いながら、基地負担の軽減を初め、また、極度に制限されている主権を回復していくという観点からも、我々が従来から主張しております日米地位協定の改定ということに全力で取り組まなければならないという、その決意を新たにしました。

○予算委員会集中審議開催の求めについて

【代表】
 最後に、経済状況であります。アメリカでもダウが非常に下落し、日本でも昨日は非常に下落し、引き続き不安定な株価の状況、そして景気動向指数も6年ぶりに基調判断を「悪化」ということにしましたので、その意味では日本経済が踊り場から悪化の局面に移行している疑いが相当強くなってきたと思います。
 ですから、やはりこんな状態で10月から消費税の増税を本当にやっていいのかどうか。こういった経済状況、経済政策について、やはり速やかに予算委員会で議論をやらせてもらいたいと思います。私たちはこれは従来からずっと求めてきましたが、与党にずっと拒否されております。
 北朝鮮に関しても、拉致問題、核、ミサイルとあります。そして、これまでの方針を変えて条件なく金正恩委員長に向き合うということでありますから、なぜ方針を変えたのか、そして事の進展する見込みがあるのかないのか、こういったことについてもしっかりとただしていかなければいけませんし議論していきたいと思いますので、ぜひ速やかな予算委員会集中審議の開催を改めて求めたいと思います。


■質疑

○首相「内奏」の映像公開について(1)

【共同通信・中田記者】
 昨日、安倍総理が天皇陛下に初めて内奏された件に関して伺いたい。内奏の様子を映像と写真で宮内庁が公開したわけだが、この対応について、本日の参議院議員総会でも大塚耕平代表代行が、どういった経緯でこうなったのかということについて聞いていきたいという話をされていた。宮内庁が写真と映像を公開した対応について、代表はどのようにお考えになるか。

【代表】
 これまで、民主党政権もそうでしたが、内奏のそういった映像、あるいはもちろん中身についても、これは天皇陛下あるいは天皇制の政治利用ということを避けなければならない、あるいは象徴天皇制をしっかりと維持していくためにも、極めて慎重に、こういったものを外に出さないという対応をしてきたのだと思います。
 それを今回あのような形で出したということは、どういう経緯で出したのか。それは官邸の指示だったのかどうか。まず、こういった経緯と事実を明らかにしていかないといけないと思います。
 一般の国民の皆さんも、そういった映像を出すことは何が悪いのかと思われるかもしれませんが、やはりとり方によっては、利用のされ方によっては政治利用になると思いますし、大きな政治的な意味を含んでくると思いますので、本来ならば慎重に取り扱うべきだと思います。あれほど大きく、NHKだけではなく民放各社も報じておられますから、なぜこういうことが行われたのか、どういう意図で行われたのかということについては、しっかりと経緯を調べたいと思います。

○安定的皇位継承 女性宮家創設等の議論について

【毎日新聞・大久保記者】
 皇位継承の議論について伺いたい。女性宮家の創設について、代表はどのような形で議論を加速させていきたいのか、タイミングやめどなどを伺いたい。

【代表】
 これは従来から申し上げているように、特例法の附帯決議で女性宮家等について議論するということが書かれておりますから、これは与野党関係なく、やはり皇統の安定的な継続・継承のために、女性宮家、そして女性天皇については速やかに議論をして結論を得ていくべきだと思います。
 「女性天皇」というのは、男系女性天皇ですね。女系天皇については、これまでの伝統にはないということですから、そこはさまざまな意見がより分かれるところだと思います。
 私自身としては、伝統を継続していくということが天皇制の一つの意義だと思っていますので、その意味では、男系であること、そして過去も女性天皇は存在していること、こういったことを踏まえれば男系女性天皇というのはもう認めるべきであろうと思います。ただ、女系天皇については、これまでの伝統と異なるということになるので、やはり慎重な議論、少なくとも広範な国民的な議論が必要ではないかと思います。

○世論調査の結果等について

【フリーランス・堀田記者】
 NHKさんの調査で支持率が0.7%ということが出た。1プラス0.5がどうして0.7になるのかご説明ください。
 それから、これは明らかにしておきたいが、25日から26日にかけての両院議員懇談会と両院議員総会において、党は約束を守ってくれなかった。両院議員懇談会は頭撮り、両院議員総会に移ったら撮影等はできるということだが、それをやらないでシャンシャンで終わってしまった。なぜ約束を破ったのか、きちんと答えていただきたい。そういうことに関して、我々の先輩である鈴木棟一さんが、国民民主党は国民とマスコミを敵にしたと書いているが、それについてどう思われるか。

【代表】
 支持率についてはいろいろな要因があると思いますので、支持率のアップに向けて引き続き努力をしていきたいと思います。
 26日の最終的に挙手採決をするときの両院総会については、これはあの日は事前に総会についても非公開ということは言っていなかったのでしたっけ。

【フリーランス・堀田記者】
 言っていません。

【代表】
 そこは、すみません、少なくとも私の理解とは違って、これは両院議員総会長の権限で何をどこまで公開するのかということについては決められるということで、原則オープンにするということで私もできるだけ開かれたものにしたいと思っていましたが、深夜に及んだということと、最終、総会に切りかえて、もう一瞬でしたから。その後しっかり記者会見が用意されていたので、何名が反対をしてどのような経緯で決まったのかということについては私からも説明申し上げたと記憶しておりますので、その意味では十分説明をしたと思っていましたが、ただ、事前にオープンにするということでお待ちいただいたということであれば、そこはお詫びをしたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 我々はエレベーターホールの前で待っていた。隣の部屋も使わせてくれなかった。それから、中から、どういったことが行われているとか、どれくらいのこととかいう連絡が全然ない。国民民主党と自由党の小さな合併とは違って、かつて経世会の分裂騒動があり、もう2週間とか3週間やったが、そのときには反小渕・反橋本側にいた船田さんが毎回いろいろと連絡をマスコミにしてくれて、結果的にマスコミを敵にすることがなかった。今回のあの18時半から3時半までのことにおいては、鈴木棟一さんもお書きになっているように、国民とマスコミを敵にした。それをよく自覚してください。

【代表】
 真摯な、正直な、そして忌憚のない意見交換をするためには、できるだけ公開していきたいと思いますが、やはりその公開することによって思ったことが全部しゃべれないということもあり得る面も、逆にご理解いただきたいと思います。できるだけオープンにしていきたいと思いますが、やはりマスコミがない中で率直な議論を戦わせ合うということも局面において必要なときもありますので、そういったことをうまく組み合わせながら対応していきたいと思っています。開かれた党として、できるだけオープンにできるところはオープンにしていきたいと思いますので、今後、よく皆さんともコミュニケーションをとって気をつけていきたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 そこを言っているのではない。要するに、飯も食わないで待っていた。23時頃に玉木さんたちには飯が入ったが。どうなっているかということの連絡が、休憩なのか終わったのかも連絡してくれない。全然連絡がなかった。

【代表】
 そこは大変お待たせして申しわけなかったと思いますし、どういう状況にあるのかということの説明はちょっと申し上げればよかったと思いますが、我々も、一体どこまで長引くのか、もう本当にお尻を切らないで議論をやり尽くそうということでやっておりましたので。そこは堀田さんに食事をとる時間もなく待っていただいたのは本当に申しわけなかったと思っています。

○定数増に伴う参議院歳費削減法案について

【日本テレビ・右松記者】
 参議院の歳費削減法案について、自主返納という提案を国民民主党はされたということだが、このあり方と今後向かっていくべき方向性について、代表として今思うことは何か伺いたい。

【代表】
 そもそも6増が間違っていると思います。その6増を前提に、何か「これをしたらそれが許される」みたいな議論に、正直あまり野党は乗るべきではないと私は思っています。
 ただ、6増が通ってしまった以上は、国民の皆さんにご納得いただけるようなどういう対応をすべきかということですが、繰り返しになりますが、人口が減り、県議会も市議会も減らすことはあっても増やすことがないような今の状況の中で、国会議員だけ、しかも参議院だけ、自民党の合区対策として六つ増やして、それで10月から消費税増税と。そもそもこれ自体が私は納得できないし、こんなことを認めてはいかんと思いますから、やはりこういったこともしっかり訴えて選挙で勝つしかないと思っています。

○自民党「失言防止マニュアル」作成について

【テレビ東京・加藤記者】
 自民党が国会議員向けに、党内に「失言防止マニュアル」みたいなものを配った。もしそちらをごらんになっていたら、感想とかあったらお願いしたい。

【代表】
 いや、その現物は見ておりませんが、そういうことをしなきゃいけなくなっているのですね、自民党さんも。
 今回の丸山議員もそうですが、やはり国会議員は常にみずからの発言に責任を持って、どういう影響を社会的に及ぼすか、特に地位にある方、大臣とか、そうした政府の役職についておられる方は、より高い規範性やモラル、そういったものが求められると思います。

○階議員の離党表明について

【「フランス10」・及川記者】
 階猛衆議院議員の離党についてのご見解を伺いたい。階さんとしては、離党した後も国民民主党の岩手県連とは連携していきたいとおっしゃっているが、それも含めてご見解を伺いたい。

【代表】
 この間も何度かお話を直接しました。階代議士の思いもお伺いをしました。けれども、最終的に決断するということはもう政治家としての判断ですから、それは政治家の判断だということで受けとめております。

○衆参選挙の候補者擁立・調整について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 衆参同日選の風は日に日に強まっているとお考えか。大型連休の後、参議院の1人区は速やかにと、衆議院についても競り合っているところは速やかにというようなことだと思うが、そもそも野党の候補がいないような感じもする。そのスピード感も含めて、間に合うような状況とごらんになっているか。その辺のことを伺いたい。

【代表】
 日に日に高まっているのかなと思っています。ですから、これは何度も申し上げていますが、参議院も、そして衆議院も、候補者の発掘・調整を急がなければいけないと思います。
 参議院は、幹事長・書記局長のレベルで今やっておりますので、遅くとも今月中には一定のめどはつくと思います。
 問題は衆議院で、競合するところを調整するということがよく言われますが、これはあまり問題はないと私は思います。もちろん共産党さんとどうするかというのはあるのですが、立憲・国民ということで考えれば、そんなにダブっているところはありませんので。むしろ、どちらも候補を立てることができない選挙区がたくさんあるということについて、これ相当踏み込んで野党間で調整を図らないと埋まらないのではないかという危機感は、もう従来から申し上げています。
 とにかく急いでやらなければいけないと思いますので、特に立憲民主党、野党第1党とそういった調整をできるだけ加速していきたいと思っています。

○首相「内奏」の映像公開について(2)

【フリーランス・田中記者】
 先ほども共同の記者の方から質問が出た、安倍首相による天皇陛下への内奏。この不自然さというところをちょっと踏み込んで伺いたい。

【代表】
 天皇制度、天皇というのは、まさに伝統のもとに成り立っているわけですから、それに伴うさまざまな諸手続や、あるいはしきたり、作法というのも、伝統として過去に行ったものを謙虚に真摯に守っていくということが大事なのだと思います。
 ですから、内奏については、どういう形で行われているのか、何が語られたのか、それは我が党にも民主党政権で大臣を経験した人もたくさんいますが、聞くとやはり身内でもしゃべりませんよね。そういった一定のルールや作法を守ってこれまで来たものが変わる、今までやったことではないことをやるということであれば、それは変えた側に説明責任が強く求められると思います。
 これは宮内庁が公式に出した映像をみんな使っているということであれば、宮内庁も政府の一部局でありますから、なぜそうしたのか、官邸から指示があったのかなかったのか、そういったことについても、やはり変えた以上は説明責任を果たしていただきたい。そうでなければ常に、内奏に伴う政治利用という批判を免れないと思います。
 なぜあのようなことを行ったのか。内奏も、総理大臣が行うもののほか、他の閣僚等が行うものもありますから、なぜ総理大臣と天皇陛下の内奏のシーンをあのような形で流したのか。これはぜひ、国民にもわかる形でしっかりと説明責任を果たしてもらいたいと思います。

【フリーランス・田中記者】
 政治利用の疑いは拭えない。そこはどう思われるか。

【代表】
 今申し上げたとおり、内奏というものについて、映像も、中身の音声も、内容も、これまで外に出してこなかったのは、常に天皇陛下に伴う政治利用というものを最小化しようという細心の注意を払ってきた結果、今までの運用がなされてきたと承知をしております。
 ですから、それをなぜ変えたのかというしっかりとした説明責任を果たさないで、こういったことを行う、あるいは継続するということであれば、やはり政治利用という批判を免れないと思いますので、なぜこれまでの運用を変えたのか、あのような形で動画を出したのか、政府においてはしっかりと説明をしてもらいたいと思っています。

○参議院選挙について

【フリーランス・堀田記者】
 参議院選挙があるが、これがある前にJCなどによる自民党の候補や野党の候補への質問会があると思うが、今回一番大きな問題の一つは、大樹総研の矢島とどれくらいつき合っているかということだ。「FACTA」がよく追及していたが、細野の金のことだ。旧民主党の人はほとんどつき合っている。それらをきちんとしたほうがいいと思うが。
 あと一つは、長野の候補者だが、東京医科大の事件は解決していない。玉木さんは、説明責任はない、法的責任はないと言ったが、これは世間には通用しない。2万円ほどの接待でやめた文科官僚がいるのだから、それ以上にものすごい接待を受けた人がのうのうと手を挙げていくことは世間は納得しない。長野からは、いろいろとビラが撒かれている。自民党から撒かれているのかどうか、共産党はまだおろしていないから共産党が出しているのか知らないが。国会議員であれば説明責任があると思うが。

【代表】
 前段の質問については、ちょっとご趣旨はよくわかりかねるので。参議院選挙の争点というよりも、これは個々の議員が説明責任をしっかり果たすべき話かと思います。
 長野県の候補者については、これも申し上げているように、本人がしっかりと説明責任を果たしていくのがまず第一だと思います。

○自由党との合併について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 連休前の自由党との合流は一つの決断だったと私は思うが、それから20日たった。小沢さんのポスト云々はこっちに置くにしても、やはり玉木さんと小沢さんで決断したわけだから、この2人で街頭に立つなり、なぜしたのか含めて説明していかないと、「あれは何だったのだろう」となっちゃうと思う。ポストの問題も含めて、せっかく合併したわけだから、これをどういうふうにアピールしていこうとお考えになっているのか、わかりやすく教えていただきたい。

【代表】
 全国を回りたいと思っています。私もそうですが、小沢先生にも。全国を回って、やはり選挙は足を使って動いて運動してナンボだと思いますから、この東京にとどまって何かをしていても票はふえないと思いますから、やはり地域の中に、国民の中に分け入って私たちの思いをしっかり伝えていくという活動を手分けしてやりたいと思っています。