「国民民主党の『家計第一』は、福祉政策ではなく、新しい経済政策」。1日、国民民主党が福岡県博多駅・博多口前で開いた街頭演説会で玉木雄一郎代表は、春田久美子(はるた・くみこ)党福岡県参議院選挙区第1総支部長とともに、博多駅前の街頭に立った。この演説会には、原口一博国会対策委員長、佐々木徹・大田京子 両福岡県議、松田美由紀・大野城市議らが参加。古賀之士参院議員が司会を務めた。
この日の朝、日本銀行が「短観(=企業短期経済観測調査)」を発表し、大企業製造業の景気判断が2期連続で悪化したことを受け、玉木代表は「このまま10月に増税したら、とんでもないことになってしまう可能性がある」と警鐘を鳴らした。「今、消費税は上げるべきではない」と、消費増税の凍結を訴えるとともに、「必要なのは、消費に水をかけるような政策ではなく、家計を温める政策。家計を直接温めるような、あらゆる政策を打つことが必要だ」と語った。
玉木代表は、「今、多くの人がその成長から取り残され、将来に不安を抱えている。不安を感じたら、怖くてモノを買えない、消費もできない。GDPの6割を占めている消費が伸びなければ、結局、経済も成長しない」と述べるとともに、「今までは、中国や米国への輸出といった、外需でなんとか経済成長してきた。しかし米中間の摩擦が強くなって、日本から米国や中国への輸出が減ってきている」と指摘。こんな経済状況が、恐らく「10年単位で続くことになる」と警告。一般の人々の将来不安を軽減するような政策を早急に政府が打ち出し、国内の消費をベースとした経済成長へ転換する必要性を訴えた。具体的な政策としては、児童手当を1万円から1万5千円に引き上げるとともに、高校卒業まで3年間延長する政策や、賃貸住宅への家賃補助を行う、国民民主党の新しい政策などの例を挙げた。
この日、玉木代表らと一緒に街頭に立った春田久美子(はるた・くみこ)党福岡県参議院選挙区第1総支部長。春田久美子総支部長について、司会に立った古賀之士参院議員は、「お父さんは自衛官、お母さんは専業主婦。ごく普通の一般家庭で育った。2人のお子さんのシングルマザーとしてのご経験もある。介護の悩みなども抱えている」と紹介。春田久美子総支部長は、自身の家庭生活について語るとともに、元裁判官・弁護士として、これまでたくさんの人々の苦悩を垣間見てきたことや、いじめやネットなどで壊れかけている日本の子どもと数多く接してきたことが、政治を志すきっかけとなったことなどを、聴衆の前で熱く語った。春田総支部長は、「子どもたちのために『出前授業』などの活動を続けてきたが、オール・ジャパンのレベルで日本の子どもたちを助けたい」と訴えた。
〇 記者団とのぶら下がり会見要旨(玉木代表)
Q.春田久美子さんについて
大変すばらしい方だと思った。今まで裁判官、そして弁護士として弱い立場の人々に寄り添ってきた経験、2人のお子さんを育ててきた経験、そして80歳を超える親の介護などに実際に今取り組んできたことで、問題をしっかりと解決できる、解決力のある候補者として、あらためて期待が高まっている。少し出馬表明が遅かったが、なんとか3つの議席の内一つを占めることができるよう全力を尽くしていく。
選挙は最大の広報だ。どうした方なのか知っていただければ、本当に良い候補者だと思っていただけると思う。課題に対して現実的な解決策を示すことができる女性候補者をつくっていきたいと思っているので、そうした点も県民の皆さんにアピールしていきたい。
わが党として迎える初めての大きな国政選挙。党の理念、政策を知っていただける最大のチャンス。選挙は最良の広報だと思っているので、選挙戦でしっかりと私たちの考えを広げ、県民・国民の皆さんの支持を集めていきたい。
Q.日銀短観と10月の消費税率引き上げについて
萩生田・自民党幹事長代行が5月に、7月の日銀短観を見て、場合によっては増税延期もありうるという見方を示されていた。決めたからといって、そのままやるものではないということだったと思う。その通りだと思うし、加えてどんな数字の変化にも謙虚に耳を傾けるとき。今、結構大きな変化が日本経済に起きていて、実は大企業だけでなく、中小企業も景況感が悪化しつつある。このような景気の下降局面で消費税率を引き上げることは、日本経済に致命的な打撃を与える可能性があると思っている。私たちは、複数税率の問題、ポイント還元の問題、むしろ格差を広げる税制だということで、税制自体の問題点を指摘し、これまでも反対を表明してきた。景況感の2期連続悪化という、致命的な打撃を与えることを証明するような数字が出てきたことから、数字の変化に謙虚に耳を傾けて、ここは消費税は凍結すべき。これを参院選でも訴えていきたい。