補正予算共同ヒアリング

 共同会派は18日、国会内で「国対・政調合同 令和元年度補正予算ヒアリング」を実施した。令和元年度補正予算案の中身について、関連省庁から合同で説明を聞いた。

 冒頭、あいさつした原口一博国対委員長は「補正予算、随分と待たされた。今年は災害が厳しかった。九州など特定の地域の災害というよりは、台風15号・17号・19号・21号と連続的に豪雨災害が続いてきた。すみやかに補正予算案を審議をして国民に届けたい」と、述べた。

 ヒアリングの冒頭、防衛関連予算についての質問が相次いだ。補正予算案全体額の約1割と全体に占める割合が高いことや、防衛関連予算のうちすでに購入した防衛装備品に対する支払いが高い割合を占めていることなどが、緊急性を要件とする補正予算案の趣旨にそぐわないのではないかなどについて疑問が投げかけられた。またこれに関連して、防衛関連予算に限らず、本予算と補正予算の双方に重複するように計上されている予算項目についての資料提出を求める発言があった。

渡辺周衆院予算委理事

渡辺周衆院予算委理事

 渡辺周予算委理事からは、電柱の地中化に関連する項目について質問があった。渡辺理事は、「無電柱化にかかる費用は1kmあたり4~5億円とされており、この補正予算案に含まれる額では40~50km分にしかならない。無電柱化がわが国の防災・減災にとって重要なことは、直近の台風15号が千葉県で引き起こした大規模停電や阪神・淡路大震災の被害を見ても明らかだ」と述べ、政府の対策が不十分なのではないかと指摘した。

 さらに補正予算案に含まれる、日本政策投資銀行による資金援助で全国各地に大型ホテル等の宿泊施設を整備する財政投融資計画についても疑問が相次いだ。計画にある「世界レベルのホテル等の宿泊施設整備を含む都市再開発等」という言葉について、(1)「世界レベル」とは具体的には、どのような基準を指すのか(2)既存のホテルには適用されるのか(3)カジノを含むIRリゾート施設も対象とするのか(4)官房長官が言及している50(施設)という数字の根拠(5)東京五輪に向け大規模な改修を終了しているホテルも多数あり、公平性はどう担保するのかーーといった質問が投げかけられた。関係省庁側は、「今、観光庁で詳細を議論しているところ」といった答えに終始し、満足な回答を得ることができなかった。

 この日、会議中に投げかけられた質問に答える資料を、次回会合までに提出するよう省庁に求め、この日の会議は終了した。