原口一博国対委員長

 「感染対策は皆やっている。それでも感染拡大が続いているのが日本の現状だ」(原口一博 国対委員長)。共同会派は21日、場当たり的な対応を重ねて批判を招いている Go Toトラベル事業 について、観光庁よりヒアリングを実施。原口国対委員長は「断固やめるべきだ」と事業の見直しを強く求めた。

 会議の冒頭、原口一博国対委員長があいさつ。原口委員長は「私たち国会議員ですら『今どっちだっけ、どんな制度だっけ』と言うぐらい、事業の内容が毎週コロコロと変わっている。自公の皆さん、心が痛みませんか。こんな風に国民の税金を無駄にして、現場を混乱に陥れて。そして Go To 事業が本当に観光業を振興するのだったらよいが、感染を拡大するのではないかという恐怖をばら撒いている」と、これまでの政府の対応を批判した。 

 この日のヒアリングでは、観光庁に対し(1)若者や高齢者は除外するということだが、事業の対象となる年齢は何歳から何歳までなのか(2)団体とは何人以上のグループを指すのか(3)どのような施設や旅行が十分な感染対策をしているとみなされ、支援対象となるのか(4)Go To 事業対象の旅行で、もしクラスター(集団感染)など感染が発生した場合は補償されるのか、といった質問が投げかけられた。しかし、キャンペーン開始日前日にもかかわらず、ヒアリングで観光庁側から具体的な回答はなかった。

 特に(1)の対象年齢などについては、「若者・高齢者の団体旅行を年齢などで一律に対象外とするのではなく、感染防止策が十分にとられているかで判断する」という回答があったものの、どのようなケースの場合、支援対象となるのか、具体的な事例については何も示されなかった。「東京都居住者は除外ということだが、居住地は他県にあるものの東京に通勤したり、逆に東京都に籍は置いているものの、居住実態がない場合はどうするのか」という渡辺周衆院議員からの質問に対しては「あくまで運転免許証や健康保険証などに記載された居住地で判断する」との回答があった。

 さらに、事業者側の登録が始まったばかりという観光庁側の説明に対し「22日から旅行の申し込みをする旅行者は、後で自分たちの旅行が補助の対象ではないことが判明することもあり得るということか?」という問いに対し、「その通りだ」と担当者が回答。これに対しては「それではまるで詐欺みたいだ」といった厳しい意見も出た。また、このコロナ禍に諸外国において公費で旅行を援助する事業をやっている国は他にあるのか尋ねられると、観光庁側は、新型コロナ感染者がほとんど出ていないベトナムの事例しか挙げることができなかった。