小熊慎司議員

 衆院予算委員会で7日、一般的質疑が行われ、国民民主党の小熊慎司議員が共同会派の3番手として質問に立った。政府の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」が1月31日、福島第一原発事故に伴って発生した高濃度の放射性物質を含む汚染水の処理方法として海洋放出が有利である旨の取りまとめを発表した問題について経済産業大臣らをただした。

 小委員会報告を受けて今後どのように意思決定していくのかについて経産相は、「関係者のご意見をしっかりと聞いて結論を出していく」と答弁した。それに対して小熊議員は、「関係者」の定義を求めたところ、「福島第一原発が立地している自治体及び発電所の周辺地域、福島全域」と答弁したことから、「海洋放出が福島ありきではないか」と追及した。経産相は「まだ結論は出していない」と明言を避けた。
 原発敷地内に保管している汚染水をためるタンクが2022年夏ごろに満杯になるとの見通しを東電が明らかにしている中、2年の準備が必要な海洋放出を2022年夏から始めようとすれば、今夏までに意思決定をしなければならないと指摘。それまでに海洋放出地域を決定し、関係者の理解を得るのは困難ではないかと疑問を呈し、「敷地外保管を進めるべき」と提案した。
 最後に環境相、経産相らに向かって「自分の選挙区の海に『トリチウム水が科学的に大丈夫だ。環境省としても大丈夫だと思う』。それで流したらどんな風に地域の人が思うか。想像してみてほしい。すごく大変なことだ。それを放出する時には、その地域に押し付けるということか。背負わせるということか。その思いを持てば2022年は超えてもう少し時間をかけなければいけない」と説いた。