古本伸一郎議員

 衆院本会議で28日、所得税法等の一部を改正する法律案の討論・採決が行われ、与党等の賛成多数で可決した。採決に先立ち、国民民主党の古本伸一郎議員が共同会派を代表して反対の立場から討論を行った。

 古本議員は冒頭、新型コロナウイルスの流行で亡くなられ方々に弔意を示すとともに、り患された方々にお見舞いの意を表した。そして全国で感染対策に尽力している行政、医療従事者、救急隊員などに謝意を表すとともに、国税庁が確定申告を4月16日まで延長したことを評価した。

 法人税でベンチャー企業への投資額の一定割合を損金算入する制度が盛り込まれたことに関して、「法人の7割は赤字であり、投資を促進するならば、赤字法人も負担する償却資産課税こそ見直すべきで」と提案した。さらに、「生産性の高い新たな設備を導入すれば法人税は減税するのに、固定資産税は評価額が上がるため増税となる矛盾を、国と地方で知恵を出し合い根本的に解決すべき」と求めた。

 所得税に関しては、未婚のひとり親世帯も寡婦控除の対象となったことについて「前進した」と評価した上で、「死別かどうかによる差は残ったままだ」と指摘。「多様な家族のあり方を支える観点から原案では物足りない。例えばひとり親控除として一つにすることを提案する」と述べた。

 「税は社会を創る」との観点から古本議員は、「超少子高齢社会のただ中にある今、大胆で斬新な税制を通じ社会を創造しなければならない」と説いた。ところが政府提出の改正案は、目指す社会を示すことから「ほど遠い」と批判し、反対討論を終えた。

PDF「「所得税法等改正案に対する討論」予定稿」「所得税法等改正案に対する討論」予定稿