森ゆうこ予算委理事

「生活者にはいつ届くのか?」。参院の予算委員会で4日、一般質疑が行われ、国民民主党の森ゆうこ議員が登壇。森議員は新型コロナウイルス対策を巡り(1)民主党政権時代に成立した「新型インフルエンザ対策特別措置法」の適用(2)全国一斉休校要請(3)マスクの供給不足(4)予算措置や緊急経済対策、等について政府の姿勢を質した。

(1)民主党政権時代に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」について

 安倍総理が民主党政権時代に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の改正を目指す考えであると報道されたこと受け、冒頭、森議員はこの法改正のテーマを取りあげた。

新型インフルエンザ等対策特別措置法の概要

新型インフルエンザ等対策特別措置法の概要

 森議員は、この特措法が定めている感染拡大のフェーズ(段階)について触れ、政府は感染拡大がどの段階にあるという認識なのか、いつ判断するつもりなのかを問うた。これに対して政府は、現在感染クラスターについて疫学的追跡調査を行っている段階で、感染のフェーズについては議論していないと回答。

発生段階ごとの対策の概要

発生段階ごとの対策の概要

 また森議員は、この特措法に基づき、仮に行政が施設の使用禁止などを命令した場合の休業補償や損失補填について、現行の特措法に追加する形で法改正する考えはないか、安倍総理らに質した。これに対して安倍総理は、現行法と同等の措置の実現を可能にしたいとした上で、与野党党首会談なども踏まえながら中身を検討していきたい、と答弁した。 

(2)マスクの供給不足について

 マスクの供給不足について森議員は、自身が直接、消費者庁に問い合わせたところ、現時点では対策について指示を受けていない、との回答を得たことを指摘。「医療現場や保育・介護の現場で働く人々が困っている。いつまでに何をどうするつもりなのか。検討をいつまでしているのか」と厳しく問い質した。

 これに対し政府は、マスクの生産をこれまで中国に依存してきたこと、限られた国内の生産の範囲で各企業に最大限の生産を依頼していること、供給先について今後しっかり優先づけをしていくと弁明。転売用の買占めについても、対応を検討中である、との説明に終始した。 

(3)一斉休校について

 各地の教育現場に混乱をもたらした全国一斉休校要請について森議員は、「事前に専門家会議で議論はなされたのか」「感染の拡大予防に効果があると思うか」と問い質した。 これに対して国立感染研究所の脇田隆字所長は、この効果について(事前に)専門家会議での議論はなかったと回答。またその効果については、有効な対策の一つであると述べたものの、有効性については「今後の検証が必要」との見方を示した。

(4)予算措置や緊急経済対策

 現下の経済状況について森議員は「リーマン時以上の大打撃ではないか。『仕事がない。どう食べていけばよいのか』というような相談が来る」と述べた上で、「世界経済の成長見通しも下方修正されつつある。雇用や景気の維持のためにもっと大幅な予算編成の見直しを行うつもりはないか」と安倍総理を問い質した。しかし安倍総理は「すでに決定した経済対策を着実に実施し、状況を注視しながら必要な対策をとっていく」と答弁するに止まった。

PDF「森ゆうこ参院予算委提出資料」森ゆうこ参院予算委提出資料