古賀之士議員

 参院本会議で27日、所得税法等の一部を改正する法律案の討論・採決が行われ、与党等の賛成多数で可決・成立した。採決に先立ち、国民民主党の古賀之士議員が共同会派「立憲・国民.新緑風会・社民」を代表して反対の立場から討論を行った。

 財務金融委員会で議論の大前提となる税収の見積もりを示すよう求めてきたが、麻生財務大臣が「予想屋みたいなことは申し上げられない」などと具体的な答弁を避けたことを問題視。「使うお金の100兆円は決まっているけど、入ってくるお金はいくらになるかよく分からない。こうした無責任極まる政治を、誰が信用できるだろうか」と安倍政権の政治姿勢を厳しく批判した。

 森友学園をめぐる公文書の改ざん問題に関しては、現場の職員が自死に追い込まれる中、改ざんを主導した理財局長が国税庁長官に起用された事実に触れて、「一将功なりて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)」という故事成語があてはまると指摘。「納税者からの税務行政への信頼を、財務省自らが放り投げるような行為は、とても容認できない」と語気を強め、改ざん問題の再調査を強く求めた。

 最後に、「税務行政への信頼を木っ端みじんに吹き飛ばし、あらゆるものを偽造して嘘に嘘を重ねる現政権には税制を語る資格はなく、それゆえ本法案に賛成することはできない」と述べ、討論を終えた。

PDF「所得税法改正案反対討論予定稿」所得税法等一部改正案反対討論予定稿