岡本充功議員

 

 衆院予算委員会で9日、第2次補正予算案に関する基本的質疑が行われ、国民民主党の岡本充功議員が質問に立ち、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補のアビガン、米国からの人工呼吸器などについて安倍総理らにただした。

 岡本議員は、抗インフルエンザウイルス薬として承認されたアビガンの効果について、「2回飲んだ時に効果があって、3回飲んだらメリケン粉を飲んでるのと変わらなかった」と不可解な検査結果が出ていると説明。さらに医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査で「タミフルと比べて劣っている」という報告も示し、アビガンの効果に疑問を呈した。
 ところがアビガンは、医師がインフルエンザ患者に自由に使えないようにすることを条件に承認されるという極めて異例の薬事審査を経たと指摘。このような不適切な手続きを経たアビガンにもかかわらず、安倍総理が5月4日に抗コロナウイルス治療薬として早期の承認を目指すと表明したことから、過去の審査を知った上で表明しているのかと追及した。総理は、「経緯について承知していない」と述べるにとどめた。
 一方、アビガンを開発した富士フィルムの古森重隆会長が安倍総理の政治団体により開かれた2016年、2017年、2018年の政治資金パーティー券を各150万円分購入している点を指摘。総理が年に2、3回会っているという古森会長とアビガンに関する承認や備蓄について会話したことがないかただしたが、総理は「そんなことは一切ない」と答弁した。
 最後に岡本議員は、「薬の効果が乏しいという指摘を受ける中で決まった(アビガンの)備蓄の過程。そして今回の新型コロナウイルスの治療についても大変前のめりの発言を総理が行うことを見て、やはり多くの方がどうしてなんだろうという疑問を持つ。それは総理のお友達が優遇された他の案件とも重なってくる」と深刻な懸念を示し、質問を終えた。