枝野幸男衆院議員は10日午後、立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」「無所属フォーラム」の2党2グループなどが結成する合流新党の代表に選出されたことを受け、都内のホテルで記者会見を開いた。
代表選挙は、合流新党に入党する149名の国会議員による投票によるもので、選挙の結果、新党名も枝野衆院議員が提案した「立憲民主党」に決定した。
枝野新党代表は冒頭、「喜び以上に強い緊張と重い責任を痛感している。ここからが新しいスタートだ。仲間の力をしっかり発揮できるよう、多くの暮らしの現場の声を受け止め、それを現実に変えていく。そのために全力を挙げて前に進んでいく」と決意を表明した。
記者団からの質問に対し、代表選挙での泉健太候補との戦いを「前向きないい議論をさせていただいた」と振り返り、泉候補が強調した「風通しの良い組織」については、「風通しの良い組織をつくっていくのは当然のことだと思っている。149人にはなったけれど、同時に149人しかいない。国会議員だけではなく、自治体議員の皆さん、党員・パートナーズ、サポーター、応援していただいているさまざまな組織や個人の皆さん、すべての皆さんに最大の力を発揮してもらえる党運営をしていくことが私の責任だ」と力を込めた。
新党が目指している社会については、「一言で言えば、自助や過度な自己責任ではなく、支え合う社会、自己責任から支え合う社会に向けて頑張っていきたい」と主張。「最大野党の役割は、次の総選挙で政権の選択肢になることと、行政監視。次の政権選択肢になり、国民の皆さんに政権として選んでもらうよう最大限努力する」と述べた。
新党の人事については、「まったく白紙だ」とした上で、「16日に臨時国会が召集されるので15日の結党大会までにできるだけ決めたいが、具体的に構想があるわけではない。奇をてらうことはしない」との考えを示した。
消費減税をめぐり、与党への働きかけ、または野党間の連携については、「政治は時間の関数であり、その関数を解説しようとするとなかなか難しい」と言及した。
新党の農業政策としての柱については、従来から掲げている「戸別所得補償制度」の必要性をあらためて強調した。「1次産業を持続できるベースを作らないと後継者は出てこない。ベースを支えるのは当然で、逆にこれを実現しないとどんな政策をやっても意味がないと思っている。自民党の農業政策は儲かるところを伸ばすもので、ごく一部の地域に限られる。必ずしも儲からない、不利な地域であってもやっていけるようにしなければ前に進まない」と述べた。
外交安全保障政策については、「選択肢をたくさんもっていることが大事で、それが奥行きを持つことになる。したがって、日米同盟を基軸としながらASEAN(東南アジア諸国連合)やオーストラリア、ニュージーランドといった国々と、政治や安全保障の面でも関係を深めていくことで奥行きのある安全保障を展開できる」と語った。