玉木雄一郎共同代表は23日午前、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する交渉記録を財務省が国会に提出したことを受け、記者団の求めに応じて国会内で発言した。「概要を見て大変驚いた。これまで1年以上にわたって政府が答弁していた内容が虚偽であると明確に裏付けられた」「行政に対する信頼を根こそぎ失うような大変重大な事案だ」と指摘した。

 「こうしたことを二度と起こさないためにも、決裁文書を含む、公文書の改ざん防止法案をわが党は提出しているので、政府・与党にも成立に向けて協力を求めていく」と改善策を提示するとともに、「立法府の行政に対する監視機能を、もっと構造的・組織的に高めていかなければならない」と問題提起し、独立した行政監視院を新たに設ける議員立法を提出していくと表明した。

 この文書に関して、一刻も早く予算委員会の集中審議を開いて安倍総理に説明を求めていくとともに、「佐川元前長官が刑事訴追のおそれがないというのであれば、もう一度証人喚問に出てきていただいて、真実をすべて、この新しく出てきた文書にのっとってお話をいただきたい」「あまりにも資料が膨大なので国会の中に調査特別委員会を設けて、集中して真相を明らかにしていく、あるいは資料の分析をしていくことも必要」だと述べた。

 国会答弁に合わせて近畿理財局に対して廃棄するよう指示があったとの報道があることについては、「もし、国会答弁に合わせて廃棄することをしていたとしたら、過去の歴史を抹消しようとするような重大な動きであって、決して許されない行為。行政文書、公文書は日本の歴史そのものなので、歴史を抹消し、改ざんすることを財務省が行ったとしたら万死に値する」と指摘した。

■冒頭発言の要旨

 3千ページに及ぶ森友学園に関する財務省の記録が出てきた。今、分析を進めているが、概要を見て大変驚いた。驚いたというのは、これまで1年以上にわたって政府が答弁していた答弁内容が虚偽であるということが明確に裏付けられた。

 特に気になるのは平成27(2015)年の11月に安倍昭恵夫人付きである谷さんが財務省理財局本省に問い合わせをしたことが国会でも問題になったが、実際に721ページに出てくる文書を見れば「その知り合いの方(=籠池理事長)から、(中略)優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問合せをさせていただいたもの」(下写真参照)とある。当方というのは安倍総理夫人付きの谷さんで、谷さんから国有財産業務課の小林さんに対して照会があったとある。総理夫人から照会があって、そして夫人付きの谷さんから(小林さんに)照会があったと明確に書かれてある。その意味ではこの土地に関する賃料設定または売買価格に最後はつながっていくが、このことに安倍昭恵さんの存在が大きく影響を与えているということが財務省の文書でも裏付けられた格好になると思う。

財務省公開文書「定期借地権の減額要求について(学校法人)」

 今回非常に重要なのは、これまで1年にわたって政府が説明してきたことが虚偽だったということが明らかになったこと、このことは行政に対する信頼を根こそぎ失うような大変重大な事案である。日本の政治史に残るような、少なくとも平成という時代の歴史に残るような大事件だと思う。昭和の一番最後の63年にリクルート事件が起きたが、平成の最後の時代に、ある意味、平成のリクルート事件と言ってもいいくらいにインパクトのある事件だと思う。そうした日本の政治史に刻まれるような大事件であり、日本の行政の信頼を揺るがす大事件だということがあらためて裏付けられた。 政治が信頼の低下を助長しているということも明らかになった。現職の総理の夫人がそこに関わっている。少なくともこうしてまた夫人の名前が行政文書に出てくるということは前代未聞で、あらためて真相究明に向けて政府の責任が厳しく問われる。

 あまりにも資料が膨大なので国会のなかに調査特別委員会を設けて、集中して真相を明らかにしていく、あるいは資料の分析をしていくことが必要だと思う。まずは一日も早く予算委員会の集中審議を開いて総理から説明をいただきたいと思う。そして佐川元前長官が刑事訴追のおそれがないというのであれば、もう一度証人喚問に出てきていただいて、今度は刑事訴追のおそれがないということがある程度確定するのであれば、真実をすべて、この新しく出てきた文書にのっとってお話をいただきたいと思う。

 わが党としては、こうしたことを二度と起こさないためにも、再発防止のために決裁文書を含む、公文書の改ざん防止法案を提出しているので、これは政府与党にも協力いただいて、一日も早く成立させる。合わせて、こういったことを分析していくことも含めて、立法府の行政に対する監視機能を、もっと構造的・組織的に高めていかなければならないと思うので、独立した行政監視院制度を新たに設ける議員立法を提出したい。アメリカにあるGAO、日本版GAOのようなものをつくって、こうしたことが二度と起こらないような対応をしていきたい。 いずれにしてもこれまで一連の政府の説明が嘘だったということ。私自身も何度も質問に立たせてもらったが、憤りを禁じ得ない。このことについては安倍総理をはじめ、政府側からの説明を求める。 国会答弁にあわせて近畿理財局に対して廃棄するよう指示があったとの報道がある点は、もし、国会答弁に合わせて廃棄することをしていたとしたら、過去の歴史を抹消しようとするような重大な動きであって、決して許されない行為。行政文書、公文書は日本の歴史そのものなので、歴史を抹消し、改ざんすることを財務省が行ったとしたら万死に値する。