政府・与党が25日に衆院厚生労働委員会で「働き方改革」関連法案の採決を強行したことに抗議するため、連合が29日夕刻、「『高度プロフェッショナル制度の衆議院通過に抗議!』5.29一斉緊急街宣行動 」と題して東京・新橋駅前で街頭演説会を開き、国民民主党から玉木雄一郎・共同代表が参加した。

 連合の神津里季生会長は、「野党が出している対案は素晴らしい内容だ」と述べた上で、そのような対案の内容を一顧だにしない政府・与党のかたくなな姿勢を批判。「なぜ取り込もうとしないのか。1強政治の弊害だ」と訴えた。

 これを受けて玉木共同代表は、「私には腹が立って仕方がないことがある」として、安倍総理が過労死遺族の方々と一度も面会していないことを取り上げ、それでも委員会の採決を強行した横暴な姿勢を批判した。

 また今回の政府法案の最大の問題として、高度プロフェッショナル制度と呼ばれる制度を取り上げ、過労死は確実に増えると主張。(1)労働時間の規制がなくなるため、まさに働かせ放題になる(2)労働時間を記録する必要がなくなるため、仮に過労死などが起こったケースでも、労災の認定が極めて難しくなること—――などの問題点を指摘した。

 世論の一部には、この法案が年収1075万円以上の人にしか当てはまらないという誤解があるが、実は法律のどこにも具体的な年収については書かれておらず、実際、経済界がこの制度を議論していた時には、年収400万円というケースも取り上げていることも指摘。「だから、新橋駅前をご通行中のサラリーマンの皆さまにも大いに関係がある」と、近い将来に法律の対象が拡大する可能性を示唆した上で、「ぜひ連合の皆さんやわれわれの言うことに耳を傾けてほしい」と訴えた。