玉木雄一郎共同代表は1日午後、日本労働組合連合会(連合)の相原康伸事務局長ら役員を国会内に迎え、「2019年度連合の重点政策」に関し要望を受け、意見交換を行った(写真上は、連合の相原事務局長から要望書を受け取る玉木共同代表ら)。国民民主党からは平野博文総務会長、小宮山泰子企業団体局長が出席した(※)。

 相原連合事務局長は、喫緊の課題である働き方改革関連法案について、「法案への対処に最善を尽くしてはいるが、衆院を通ったことは極めて遺憾だ。国民民主党とも連携を深めながら共同歩調をとって前に進んでいきたい。今後、参院ででの議論では充実した審議を求めたい」などと述べた。

 玉木共同代表は、「残念なことに、衆院では強行採決となってしまった。最後の厚生労働委員会の場面では、わが党の岡本議員がデータの不備をしっかり指摘し、厚生労働省の役人も手を挙げて答えようとしているところを、打ち切りということでああいう形になってしまった。傍聴席にいた過労死者の遺族の方々も、非常に悲しい思いであの瞬間を見届けたのではないか」と政府の強硬な国会運営を批判した。今後の同法案への対応については、「まだまだデータ不備の問題も残っているし、制度としても問題が多い。参院でも引き続き高度プロフェッショナル制度の部分の削除を求めたい。われわれが提出した案が最良のものだということで、真に働く者のためになる働き方改革となるように最後の最後まで努力を積み重ねていきたい」と説明した。

 意見交換の中では、玉木代表が「われわれは再び政策集団を目指す」と発言。民主党政権が誕生した2009年に民主党が訴えた政策は、さまざまな批判にさらされたものの、その後の10年間に幼児教育の無償化を始めとして、その多くが与党の政策にも反映されていった。次の10年を見据えて再び政策を仕込む時期ではないか」と述べた。

 連合の重点政策は、「震災からの復興・再生の着実な推進」と「『働くことを軸とする安心社会』の実現に向けて」の2本を柱としており、最重点政策として7項目――(1)東日本大震災からの復興・再生の着実な推進(2)経済・産業政策と雇用政策の一体的推進および中小企業・地域産業への支援強化(3)「公平・連帯・納得」の税制改革の実現(4)長時間労働是正に向けた法整備と労働者保護ルールの堅持・強化(5)すべての労働者の雇用の安定と公正処遇の確保(6)すべての世代が安心できる社会保障制度の確立とワーク・ライフ・バランス社会の早期実現(7)「子どもの貧困」の解消に向けた政策の推進――を列挙し、それぞれ具体策を明示。「わが国経済を持続的に発展させ、包括的な社会を構築していくためには、誰もが安心して働くことができるワークルールとディーセント・ワークの確立、分厚い中間層の復活に向けた適正な分配の実現、全世代支援型の社会保障制度の再構築、すべての子どもの教育機会の保障をはじめ、すべての働く者・生活者のくらしの底上げ・底支え、格差是正、貧困の撲滅に資する政策の実行が不可欠」だとして、働く者の立場から取りまとめた重点政策で、当面の経済財政運営や2019年度予算編成で反映してほしいと要請している。

※ 連合からはこの他、南郡美智代 副事務局長、内田厚 副事務局長、川島千衿 総合政策局長、平川則男 総合政策局長、村上陽子 総合労働局長、井村和夫 政治センター事務局長らが出席した。