学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題について財務省が調査結果と関係者の処分を発表したことを受け、 5日に衆院で財務金融委員会が開かれ、近藤和也議員が質問に立った。
「今回事件の全体像を一言で言うならば、『エグイ』という言葉が適切なのかな、と思いながら前の質問者とのやり取りを聞いていた」と近藤議員は冒頭に感想を述べた後、「実際、いつまで森友・加計学園問題をやらなければならないのかと個人的にあきれるし、地域の皆さまからも指摘される。私自身、森友・加計学園問題で質問するのは今回が初めて。避けてきたと言えるのかもしれない。ただもう昨日の財務省調査・人事の報告を受け、ここで白黒はっきりさせなければ国が前に進んでいかない。このような後ろ向きの議論は、早く片を付けるべき。そのためには、今日の議論の中で、なぜこのようなことが起こったのか、だれに責任があるのか、はっきりさせた方がよい」と厳しい口調で指摘した。
財務省職員らの苦労にも言及し、「報告書を読み、正直つらかった。こんな後ろ向きな仕事をさせられる役人の皆さんがかわいそうになった。報告書には、誰のために、という本当の動機の部分がしっかりと書いていなかった。私はこの部分に関しては、財務省の方々も麻生大臣も、加害者であり被害者であると思う。なのに(財務省は)自分たちで犯してしまったことを、事細かく、自己反省文のようなものを書かされた上、処分を受ける。かわいそうだ。今の安倍政権に足りないのは、人の痛みを感じることだと思う」と財務省職員らの苦労をおもんぱかった上で、政権の対応を批判した。
その上で、「麻生大臣は正直、大臣を辞められるべきだと思う。しかし大臣は辞められても国会議員であることには変わりない。私たちが提出した公文書改ざん防止法案を、財務大臣としてではなく、一国会議員としてその成立に前向きに取り組んでもらいたい。そして二度と財務省の方々がこういうつらい作業をすることがないように、私は強く求めたい」と麻生財務大臣の辞任と再発防止策の実現を強く求め、この問題に関する質問を締めくくった。