下原地区で話を聞く玉木共同代表

 玉木雄一郎共同代表は16日、豪雨災害により大きな被害を被った岡山県の倉敷市、総社市を訪れ、両市の市長と面談し、被災した住民からも直接話を聞いた。同県選出の津村啓介、柚木道義両衆院議員、高橋徹県議も同行した。

伊藤香織倉敷市長と面談

伊藤香織倉敷市長と面談

 倉敷市の伊藤香織市長との面談では、現在の復旧状況などの説明を受けた。特に被害の大きかった真備町については、町の約25%が浸水し、2万3千人の住人のうち、一番多かった時で8千人が避難生活を送っていたなどの説明があった。問題点として伊藤市長は、「災害により多量のごみが出ている。倉敷市の1年分の一般ごみがおよそ9万トン。今回の災害ごみの量は7~10万トンに達する見込みで、それ以上かもしれない。災害ごみ処理への対応に苦慮している。今後は全国的に処理のお願いをしなくてはならない状況だ」と述べた。

真備町川辺地区で話を聞く

真備町川辺地区で話を聞く

 同市真備町では、避難所に指定されている岡田小学校、3メートルを超える浸水被害を受けた同町川辺地区などを視察した。

 川辺地区で被災した住民からは、「避難している人たちが帰ってくるためには、商店や小学校などが再開されるなど、住民が帰ってこられる環境を作らないとなかなか戻って来にくい」などの話を聞いた。

 総社市では片岡聡一市長と面談。災害発生時の状況と現在の復旧状況についての説明を受けた。

片岡聡一総社市長と面談

片岡聡一総社市長と面談

 さらに、市役所の敷地内に設けられた「支援物資フリーマーケット」を視察した。この「支援物資フリーマーケット」は、市に寄せられた支援物資を被災者に届けるためのステーションで、フリーマーケットとうたってはいるが、被災者が必要とする物資を管理者に申告して無料で自由(フリー)に持っていくことができる。地元の高校生らがボランティアで施設の運営・管理を行っており、玉木共同代表らが視察した時にも、飲料水やカップ麺、子ども用の紙おむつやランドセルなどを探す人たちが訪れていた。片岡市長は、「物資を支給などというと、なかなか持っていきにくい。必要なものを選んで、それぞれの人たちに持って行ってもらうためにこういう形にした」と、設置の意義を語った。

下原地区で被災された方から話を聞く

下原地区で被災された方から話を聞く

 その後玉木共同代表らは、片岡市長の案内で、豪雨による浸水に加え、アルミ工場の溶解炉が大爆発を起こし、爆風と浸水の両方の被害を受けた同市下原地区を視察した。玉木共同代表は、水が引き、後片付けに追われる被災者から被災時の話を聞くとともに、生活再建に向け活動している市の消防職員たちを激励。「私たちも国政でできることはしっかりやる。復旧のために一緒に頑張ろう」と声をかけた。

 視察終了後に記者団取材に応じた玉木共同代表は、「今日は岡山県連の結成大会だったが、むしろこの豪雨災害に対する対応を最優先に国会としても取り組まなければならないという思いをあらたにした。国会でカジノ(IR整備法案)の議論をしている場合ではない。岡山県で言えば、47災害と言われた昭和47年の災害以降、半世紀ぶりの甚大な災害だ。22日には国会は閉じるが、切れ目なくこの災害に与野党を超えて向き合っていかなくてはならない。急がない法案は臨時国会に回し、災害対策に全力を挙げることが必要だ。国会閉会の翌日23日にも臨時国会を開き、事実上の通年国会として災害に対応すべきだ」と述べた。

 さらに玉木共同代表は、「速やかに激甚災害指定を行い、それに必要な補正予算の編成を急ぐこと」「全壊家屋への支援金300万円を500万円に拡充しようとする、被災者生活再建支援法の改正案をわが党が中心に提出している。この法案の成立を急ぐべきだ」と2点を挙げ、政府・与党に申し入れたいとの考えを示した。

 補正予算はどういった点に重点を置くかとの問いに玉木共同代表は、「河川の早期の改修整備を行う」「農作物の被害が多く出ているので、第1次産業に対する対応」と2つの重点が必要と答えた。

 内閣不信任決議案の提出をめぐっては、「これだけ最優先で取り組まなければいけない災害が発生する中、国会ではカジノの議論ばかりやっている。あるいは自民党のために議席を増やす参院選挙制度改悪法案を成立させようとしている。全力で災害に当たっているのかと疑問視せざるを得ない政府の対応がある。こういうことにはメッセージを発していくことが必要だと思っている」と答えた。

玉木共同代表記者会見