大塚耕平共同代表は23日、佐賀市を訪れ、7月の豪雨災害の被災地域を視察するとともに、党佐賀県連、連合佐賀と意見交換を行った。
豪雨災害による山間部の被災地域の視察では、佐賀市の担当者から災害発生時の状況を詳しく聞くとともに、市の担当者の案内で、大規模な道路の陥没や、裏の山が崩れ大量の土砂や流木が流れ込んだ住宅などを見て回った。市の担当者は、「今回の豪雨災害では、広島県や岡山県などの被害は大きかったが、降水量だけで見ればこの間の佐賀市の北山地域の雨量は900ミリ以上とかなり多くの雨が降っている。他の県に比べ人的被害は少なかったが、残念ながら2人の方が亡くなった。佐賀市内だけで道路や河川など1700カ所以上で被害が出ている」と被害状況の説明を行ったうえで、「国に対しても災害復旧の補助をお願いしているが、ぜひ国民民主党にも協力をお願いしたい」と話した。
大塚共同代表は、大きく陥没した道路に驚嘆の声を漏らし、「国民民主党としても、一日も早い災害からの復旧に向けて、政府にしっかりと働きかけていく」と述べた。被災地の視察には、原口一博県連代表=衆院議員、藤崎輝樹、江口善紀両県議、山下伸二、久米勝也両佐賀市議が同行した。
連合佐賀との意見交換で、あいさつに立った大塚共同代表は、「政治に終わりはない。より良い政治の構造をどう作っていくのかという途上にある」と述べた上で、「この佐賀の国民民主党は、全国の都道府県の中でも最も安定して結束している県のうちの一つだ。原口県連代表をはじめ、この厳しい局面で県連を守っていただいている自治体議員の皆さんのご努力、連合佐賀の皆さんのご支援のおかげだ」と述べ、引き続いての協力を要請した。
大塚共同代表は、「国民民主党は、国民生活向上、国民生活の発展、そして国民主権を守るという意味で『国民』と付けさせていただいた。総選挙は必ずやってくる。野党は結束していかなければならない。夏の参院選で佐賀は勝てる選挙区だ。ぜひよい候補者を野党統一候補として立てられるように努力したい」と話し、いっそうの支援を求めた。
原口県連代表は、「今日は、大塚共同代表と一緒に、(豪雨災害で)被災した地域を視察してきた。佐賀県は、今回の豪雨災害で1日当たりの降水量が最も多かった地域の一つ。2人が亡くなったが、甚大な被害が出なかったのは皆さんのお力のおかげだ」と述べた。
第196通常国会について原口県連代表は、「(自公政権の)やりたい放題の国会だった。『働き方改革』で政府が出してきたデータはとんでもないものだった。しかし連合をはじめ、皆さんのおかげで裁量労働制拡大は削除することができ、47項目の付帯決議を取ることができた」「来年は12年に1度、統一自治体選挙と参院選が重なる年だ。さらなる結束と、働く人たちのためにしっかりと頑張っていける政治勢力としてさらに拡大させていただきたい」とあいさつした。
連合佐賀の青柳直会長は、「(国民民主党となって)議員数は少なくなったが、一つの大きな固まりを作るためのステップと受け止めている。何とか分かれている状況を一つにまとめてほしい。そうでなければ来年の統一自治体選挙、参院選で厳しい戦いとなる」と述べた。通常国会については、「歯がゆい思いで見ていた。国民が疑念に思っているモリカケ問題にはまったく答えない。野党がまとまって安倍政権に対抗しうる形になるよう役割を果たしてもらいたい」と述べた。
日程終了後に記者団の取材に応じた大塚共同代表は、今回の佐賀県訪問について、「先だっての豪雨災害の被災地の視察とともに、県連や連合佐賀の皆さんと認識の共有ができた」などと述べた。
参院選への対応について聞かれた大塚共同代表は、「佐賀もそうだが、1人区では野党統一候補としていくことが全野党の共通認識だ。佐賀県の場合は、県連で候補者を擁立してもらうプロセスにある。連合佐賀からは、地元出身の候補を擁立してほしいとの趣旨の話があった」と答えた。