玉木雄一郎共同代表は長崎日程2日目の3日、精力的に長崎県内各地を回った。一連の日程には衆院1区選出の西岡秀子衆院議員、白川鮎美参院選長崎選挙区公認候補、県連幹事長の渡邊敏勝県議らが同行した。

長崎県庁では映像での説明を受け、7・23長崎大水害の被害実態等の説明を受ける

長崎県庁では映像での説明を受け、7・23長崎大水害の被害実態等の説明を受ける

■長崎県庁で7・23長崎大水害について話を聞く

 全国各地で多発する豪雨災害への対策の在り方を検証する意味で、36年前に長崎市を襲い死者・行方不明者299人を出した7・23長崎大水害の被害状況と、災害直後とその後の長期的な復旧・復興の取り組み等について県庁の危機管理担当者や防災課・河川課の担当者、大水害当時対応にあたった元消防職員や自治会長から説明を受けた。

 西日本を中心に発生したこの度の「平成30年7月豪雨」災害被害同様に家屋への被害が尋常でなかったとの説明があり、命を守るための避難の徹底が重要であること、その重要性を誰もが私ごと化することがさらに重要だとの話しがあった。「役所が作るハザードマップではなく、危機感が伝わるとともに住民に浸透しやすい『住民目線のハザードマップ』の整備が必要」といった説明があった。また、大水害を経験した人たちの次の世代が大半を占めるなか、危険性を語り継ぐこと、子どもたちへの教育が重要との声もあった。

 あわせて、眼鏡鏡を水害から守るために行われた中島川河川工事を視察した。

増水時の眼鏡橋を守るため、景観を守りつつ水を逃がせるよう橋の両サイドにバイパスを設置

眼鏡橋が増水時に流木や濁流等によって眼鏡橋などが壊されることがないよう、景観を守りつつ水を逃がせるバイパスを橋の両サイドに設置。眼鏡橋など石橋の下を流れる水量が一定になるよう工夫。

大水害の恐ろしさを知るため、商店街のあちこちに大水害時の水深の記録が刻まれている。

大水害の恐ろしさを後世に伝えるため、あちこちに大水害時の水深の記録が刻まれている。


■平和への誓いをあらたに

 連合長崎が毎年広島県と連携するために行っている平和キャラバン出陣式に参加。連合長崎の宮崎辰弥会長らとともに、キャラバン隊のメンバーにエールを送った。

 長崎平和公園で原子爆弾落下中心地碑に献花し、長崎原爆資料館を視察。平和への誓いをあらたにした。

長崎平和公園で原子爆弾落下中心地碑に献花した玉木共同代表、西岡衆院議員、白川公認候補

長崎平和公園で原子爆弾落下中心地碑に献花した玉木共同代表、西岡衆院議員、白川公認候補

原子爆弾落下中心地碑

原子爆弾落下中心地碑

■ミカン栽培農家の皆さんと意見交換

 諫早市多良見町でミカン栽培農家の皆さんと大村湾を臨むミカン畑横の炎天下のもとで意見を交わすとともに畑を視察した。

集まってくれたミカン農家の皆さんと意見をかわした。

集まってくれたミカン農家の皆さんと意見を交わした。「日差しが強すぎるからこの傘を使って!」と農家の方が貸してくれた傘をさして。

ミカン農家の皆さんと意見交換後に農園を見せてもらった

ミカン農家の皆さんと意見交換後に農園を見せてもらった

■農家の皆さんと車座集会

諫早多良見野川内地区公民館では農家の皆さんと車座で困りごと・課題について意見をかわした。

諫早多良見野川内地区公民館では農家の皆さんと車座で困りごと・課題について意見をかわした。

 諫早多良見野川内地区公民館では農家の皆さんと車座集会を行い、農業が抱える課題等について話を聞いた。

 農業従事者の高齢化・担い手不足が深刻化するなか、人材確保策につながる可能性も含まれる外国人技能実習生の在り方の見直しや、鳥獣被害対策、地域活性化に向けた農協改革の方向性などについて熱心な議論が展開された。

■記者ぶら下がり

 農業者との車座対話集会を終え、一日の感想を問われた玉木共同代表は、「地方に来ないと日本の現状はわからないという事を実感した。いろんな意見もうかがったし、特に今、ミカン農家の方にお話を聞いて、ある意味全国共通の課題だと思った」と述べ、農業者が高齢化していくなか、しっかりとした畑を維持してきたにもかかわらず、県庁勤務の息子さんに農家を継げとは言えないという話が出たことを紹介。全国共通のこうした高齢化・後継者不足によってだんだんと廃園や耕作放棄地が増えていくことになるとした。また特にいのししなど鳥獣対策が必要だという話も聞いたことにも言及し、「こういった悩みを直接聞かせていただいた。なかなか東京にいたのでは聞けないこうした地域の悩みに答えていくのが国民民主党でなければならないなとあらためて実感した。これからも全国各地、特に人口が減り過疎化が進むと言われている地域にこそ、足を運んで国民の皆さんの意見を伺っていく」と語った。

 ミカン農家などの農業視察と、精力的に取り組んでいるABC調査会にどう活かせるかとの問いには、「まさにスマート農業という形で生かせる余地があると思った。実は点滴潅水といって、水を植物の根元に点滴のように配水していくというしくみで、ずいぶん作業が楽になったといっていたが、困っているのが農薬の散布と収穫に尽力がかかるということだったので、こういったものは最新鋭の収穫機械やあるいは農薬散布についてドローンを使って上からまくのは稲作などで行われる技術が行われているが、葉裏に最小の農薬を効果的に届けるというのも技術革新がずいぶんいかせるのではないかと思った。もともと私たちのコンセプトは「あたらしい革新的テクノロジーで人材不足や若年労働者の減少という社会制約を超えていきたいというのがABCプロジェクトの大きな主眼であったので、ぜひ農業の分野でも生かしていきたいと思う。

 核兵器禁止条約が国連で採択されたが日本は批准していない状況にあるなか、唯一の被爆国である日本政府が取るべき対応について記者団から問われ、原爆投下爆心地公園を訪れ献花するとともに、資料館を訪れて意義深い時間を過ごすことができたとの認識を示したうえで、「悲惨な歴史をもっと共有すべきだ」との考えを語った。核兵器禁止条約について日本が批准しなかったことについては、「安全保障上のさまざまな理由だと政府は説明しているが、今日あらためて長崎における原子爆弾投下の被害と苦しみというものを見たときに、もちろん安全保障上の配慮ということはわかる一方で、唯一の被爆国として核なき世界に向けた強いメッセージを日本こそが発すべきではなかったのかとあらためて思った。今、日本はもちろん日米同盟はあるが核廃絶に向けた世界的な動きの先頭に立つべきであって、核兵器禁止条約については賛成すべき」との認識を語った。それが日本の進むべき道だという認識を強くした」と語った。