玉木雄一郎共同代表は21日、定例記者会見を国会内で開いた。

 中央府省庁で障害者雇用の水増しが行われていた事案について「安倍政権の隠ぺい体質がまた現れていると思うし、何よりも障害者雇用に対する大きな裏切り行為だ」と述べた。同日実施された野党合同ヒアリングについても、「まともな資料もなければ、きちんとした説明もなく、ひどい内容の報告だったと思う。再調査については、いくつかの省庁が既に認めているのにも関わらず、政府としては認めない。隠ぺい体質も極まれり、だ。誰に気兼ねしてそうした説明ができないのか」と、政府の対応を厳しく批判した。

 参院、衆院の両院で野党としてこの問題での閉会中審査を求めていることに関連し、「速やかに厚労委と予算委での閉会中審査を求めたい。参院では先の通常国会の参院改革協議会で、行政監視委員会の人数を5人増やし通年で行うと決めた。参院ではこの行政監視委員会でも早速、審議を求めていきたい」と述べた。

 沖縄県知事選については、沖縄の思いやアイデンティティを大切にした故翁長知事を引き継ぐ候補者を応援していきたいと述べ、現在名前が取りざたされている玉城デニー氏について、「2009年衆院初当選の同期で、氏の人柄もよく知っており、人格的にも優れた方だと思う。第一義的には沖縄で決めることだが、もしデニー氏ならば、沖縄全体を体現する政治家として皆をまとめ、与党候補に勝利することも可能だと考えている」と述べた。

 また基地問題について、「非常に難しい問題だと思うが、2つの視点が重要だと思う」として、最新の技術や安全保障政策全体を考慮した問題の再検討を挙げた。「辺野古岬への移転を日米で決め、現在も日米で進めているのは事実だが、これを決めたのは橋本政権の時であり、インターネットを始め今ある様々な技術もなかった時代だった。その頃にベストだと思って決めた基地のあり方と、技術の進んだ今日における安全保障のあり方について、さまざまな検討を加えてみることも必要ではないか。辺野古岬が唯一の解決策なのか。海兵隊をあの規模で沖縄に置いておかなければならないのか。フィリピンやグアムとの関係。そういったことも、最新の防衛安全保障のデータをもとに検証が必要ではないか」「今、一方的に辺野古沖への土砂投入を沖縄に通知するなど、歴代の自民党政権と比べても、必ずしも丁寧に沖縄の声に耳を傾けているとはいえない。こうした県民の心を逆なでするようなやり方は、日米関係を逆に弱体化するのではないか。こうした観点からも、わが党の安全保障調査会では、基地問題だけでなく、安全保障政策全体の視点から、沖縄のあり方について検討を深めていきたいと考えている」と述べた。