衆議院予算委員会で質問する西岡秀子議員

 衆院予算委員会で2日、国民民主党から西岡秀子議員が2018年度補正予算の締めくくり総括質疑に立った。

 冒頭、安倍政権の災害対策のスピード感の欠如と片山大臣の政治とカネの問題について触れ、国民に対する説明責任を果たすよう求めた。次に「安倍内閣総理大臣の政治姿勢」と「幼児教育の無償化、高等教育の無償化」について安倍総理に質問した。主なやりとりは次の通り。

●安倍内閣総理大臣の政治姿勢

 西岡議員:安倍総理はアベノミクスの実績を高らかに述べられるが、地元長崎や国民の暮らしと総理の話に乖離(かいり)があると実感している。森友・加計問題をはじめとして公文書改ざん、官僚の虚偽答弁、データ偽装など政権にとって不都合な部分が明らかにされない。まさに今政治に信頼が失われている。大変深刻な状況である。先の国会で起こったさまざまな問題に対して、行政府の最高責任者として総理はどのような責任をとられたのか、また、一連の不祥事に対して道義的な責任についてどのように考えているのか。私たちから見ると全く積極的な真相究明の姿勢が見られない。うその答弁が当たり前のように行われ、そのような状況を生みだした政治家が誰も責任を取らない、今の現状が日本社会の価値観の変質、ひいては子どもたちに目に見えない形で大きな影響があるのではないかと危惧(きぐ)している。そのことに総理は自覚があるのか。

 安倍総理:行政をめぐる様々な問題について国民の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対して行政府の長として大きな責任を痛感しており、率直にお詫びを申し上げたい。真摯(しんし)な反省の上に二度とこうしたことが起こらないように全力を挙げて再発の防止に向けて総理大臣としての責任を果たしていく覚悟である。

●幼児教育の無償化、高等教育の無償化

 西岡:昨年9月25日の記者会見で総理は消費税の使途を変更し、幼児教育保育と高等教育の無償化を発表された。財政再建や税と社会保障の一体改革との齟齬(そご)や当時自民党で全く議論がなかったとの報道もあった。教育無償化をはじめ、待機児童対策、介護職員の待遇改善などの予算で2兆円のパッケージが組まれた。消費税増税分1.7兆円、企業からの拠出金3000億円という異例のやり方で党内のコンセンサスが十分に得られない中での発表であったと理解している。教育政策には確固たる理念や哲学が必要だと考える。何を目的にするかで大きく制度設計が変わってくる。幼児教育のあり方が子どもの人生を決定づける大切な時期であり、どのような環境にあっても、等しく子どもたちがスタートラインに立ち、自らの夢と希望をかなえられる社会でなくてはならない。未来の子どもたちの教育にかかる予算がこのような不安定な状況でよいのか危惧している。もしリーマン・ショック級のことや大災害が起きた場合、総理はこの消費税増税を財源としている教育の無償化は実行しないのか。

 総理:教育については安定的な財源でなければならない。そのため、消費税という安定財源を充てて、教育の無償化を進めていくという判断をし、昨年の選挙で大きな支持を得た。仮定の質問には答えられない。