玉木雄一郎代表は17日、川崎市多摩区を訪れ、社会福祉法人厚生館福祉会の「星の子愛児園」と「至誠館さくら乳児院」を視察した。「星の子愛児園」は、多様化するニーズを受け止め、産休明け保育・乳児保育・延長保育を実施。また一時保育・地域子育て支援センター(子どもや子育てに関する相談、育児支援情報提供)・ふれあい子育てサポートセンター(会員登録をし、会員同士で育児援助活動を行う場)の3事業を併設している。「至誠館さくら乳児院」は、さまざまな事情により家庭で生活できない乳幼児を預かり、「赤ちゃんの家」として安定した養育の場を提供することを目的とする事業を行っている。

 視察には国民民主党神奈川県総支部連合会代表代行の後藤祐一衆院議員、幹事長の雨笠裕治川崎市議会議員も同行した。

 視察終了後、川崎駅西口で乃木涼介(のぎ・りょうすけ)参院選神奈川選挙区公認内定候補予定者、石上俊雄参院議員らと街頭演説会を行った。

■「星の子愛児園」、「至誠館さくら乳児院」視察

 乳児院は、子どもたちの生活の場であり、職員が24時間365日交代勤務体制をとっており、入所する理由として虐待や家族の疾患、あるいは親の離別別居や受刑、経済的貧困が挙げられることなど説明があった。退所した子どもたちは、親戚が引き取ったり、里親に委託されたり児童養護施設に預けられることが多い。乳児院では退所後に担当養育者が事後訪問を行ったり、家庭訪問などのケアも行っており、きめ細かなサービスを心掛けている。より高機能化するために夜間対応や緊急対応のための職員配置の充実、里親支援職員の充足などが課題であり、国として予算化してほしいと要望している。玉木代表も1人の職員が10人の乳幼児と寝泊まりして保育する話や経験豊富でより良い人材が必要であることを聞き、「保育士の待遇を引き上げるのが大事だ」と強調した。

■川崎駅西口街頭演説会

 玉木代表は視察終了後に場所を川崎駅西口に移し、街頭演説会を行った。

 玉木代表は、来年10月からの消費増税に伴い実施予定の軽減税率制度に触れ、「お金持ち優遇だ」と指摘。まじめに働く人の暮らしを良くするために、税金を変え、そのために政策を変え、そして、政策を変えるために政治を変えていこうと呼びかけた。

 後藤議員も演説をし、軽減税率制度でクレジットカード決済をした人にポイント還元を検討していることについて、カードを持てない人にとっては不公平な制度だと説明。所得の少ない人への年金給付額を上げたり、所得税を少なくすることを議論することが大事だと訴えた。

■ぶらさがり取材

 街頭演説会終了後に玉木代表は記者団からの取材に応じた。来年に向けて国民民主党がどのように展開するか問われると、今までやってきた活動を全国で着実に展開すると力強く答え、臨時国会で対案を提示したことも一定の評価を得ているとして、今後も安倍政権に対峙(たいじ)する手段として対案を示していく考えを示した。