定例記者会見で、今年の「1字」について説明する玉木雄一郎代表

 玉木雄一郎代表は26日、今年最後となる定例記者会見を国会内で開いた。主な発言と記者とのやりとりは次の通り。

■株式市場について

 冒頭、玉木代表は大きく下落している株式市場について触れ「官製相場と言われるほど日銀、そして GPIF(年金の基金)が買い支えるということをしてきたにも関わらず、この大幅な下落だ。大変先行きを心配している。一言で申し上げるなら、他力本願で特に米国経済に依存してきたアベノミクスのメッキが剥がれつつあると考えている。引き続き市場の動向を注視していきたい」と述べた。

■総務会への報告事項<2つの政策課題のとりまとめについて>

 同日開かれる総務会への報告事項として、(1)日米地位協定の改定案(2)国会改革新構想――の2つの政策取りまとめについて触れた。

1.日米地位協定の改定案

 改定案について玉木代表は、(1)今まであくまで例外だった「在日米軍への国内法の適用」という「原則」を明確にする(2)米軍基地への日本側の立ち入り権の保障(3)日本の当局による捜査・差し押さえなど、一定の調査・捜査の権利行使を明確にする(4)飛行ルート、すなわち横田空域の見直し――などその骨子を説明した。また来月、沖縄を訪れて玉城知事と会談することも明らかにした。「沖縄の本当の意味での基地負担の軽減というのは、この日米地位協定の改定なくしてありえないと思っている。与野党、各党にも呼びかけて実現に向けて全力を尽くしていきたい」と玉木代表は語った。

2.国会改革新構想(中間報告)

 国会改革に関する党としての新構想について玉木代表は、「安倍政権になって一番壊れたものの一つが議会制民主主義、国会での熟議」だとして、この議会機能の再生のために、今回の中間報告で、主に2つの柱を立てたと説明。1つは、いわゆる日程闘争から、実質審議へ転換していくということ。2つ目は、政府にとって都合の悪いことでもしっかりと国会が調査をできる権限、またはルールの確立だと説明した。

 前者の日程闘争からの脱却については、(1)いわゆる事前審査制の見直し(2)通年国会の導入(3)委員会での逐条審査の導入――などを提案していると説明した。

 後者の国会の調査権限強化については、政府の不祥事などに関して、野党主導の真相解明を可能にするため、一定割合の議員から動議が出された場合については、特別委員会の設置が義務付けられる「少数者調査権」の導入を提案をしてしていると説明。議会がしっかりとその調査権限を発揮することを目指していると述べた。

■記者団との質疑応答

1.今年の「1字」

 記者団から今年を表す「1字」を尋ねられると、玉木代表は「用意してきました」と答え、「動」という文字が書かれたフリップを記者団に見せた。

 今年は5月に新しい党を結党するという大きな動きを作ってきたことや、9月に代表に選出されたこと、YouTube動画配信(「たまきチャンネル」)を始めたことなどを取り上げ「一政治家として大きな動きのあった1年だったと思う」とこの1年を振り返った。そして「来年もしっかり動いていきたい」と締めくくった。

2.来年の経済見通しなどについて

 来年の経済見通し等については、「やはりリーマンショックから日米ともに100カ月以上成長が続いており、循環的な動きから言って来年は経済も少し調整局面に入るのではないか」との見通しを示した上で、「来年の経済、株価は非常に要注意の年になると思う」と述べた。そして「経済・株価の動きが、政治にどのように影響に与えることになるのか。それについても注視していかなければならない。私どもとしては、これまで大規模な金融緩和と財政出動に頼ったいわゆるアベノミクスというものは、もう限界に近付いているということを累次にわたり申し上げてきた。その意味で、本当の意味でのアベノミクスの真価が問われる1年になると思う。様々な経済指標も出てくると思うので、そういったものを取り上げながら、堂々たる経済政策・金融政策についての論戦を挑んでいきたい」と来年の通常国会への意気込みを語った。