玉木雄一郎代表は28日、第198通常国会が開会し、安倍晋三総理が衆参両院の本会議で行った施政方針演説について、国会内で記者団の取材に応じて感想を述べた。
玉木代表は安倍総理の施政方針演説について「総理のいつもの癖の出た演説だった。都合のよいところだけを取り出して、都合の悪いところは語らない。原発の輸出については一切言及がなく、ロシアとの領土交渉についてはたった4行、韓国のレーダー照射問題についても全く言及がなかった」と述べた。
安倍総理の経済政策、いわゆるアベノミクスについては「『永遠の道半ば』というものが、より色濃く出ているな、と。6年も経って『何々をしたらアベノミクスが完成する』などと、いつになったらアベノミクスの遺影が立つのか、という印象だ」「特に『働く世帯の生活保護受給』世帯が8万世帯減ったというが、働く世帯自体が450万世帯減っている訳で、これがどれほど誇れる数字なのか疑問だし、同じ時期に高齢者を中心とした生活保護受給世帯全体は、37万世帯増えている」と指摘。
麻生太郎財務大臣による財政演説については、「麻生さんの財政演説の中で、予算の組み替えを行ったことについて、一切謝罪も言及もなかったのは、いかがなものか。加えて、今回の予算編成の一番大きなポイントは、法改正を行ってまで、預金保険機構が管理する剰余金、約8千億円を引っ剥がしてきて歳入に充てていること。これについて全く言及がなかった。なのでいくら1兆円国債発行が減っていたとしても、少なくとも8千億円分はそのような特例的な処理によるものだ。他にも、財政が健全化しているように見せかけるさまざまな技を行使している」と述べた。
30日からの代表質問については、「限界を迎えているアベノミクスの実態というのを明らかにする審議を行っていきたい」と抱負を語った。
毎月勤労統計について安倍総理が陳謝した部分についての感想を求められると「(謝罪は)当たり前だ。ただ私としては、もう一度予算の組み替えを行う必要が出てくるのではないかと心配している。本当にこれまで出てきたものだけが修正すべき点なのか。さらに遡った年数からのものも本当に修正しなくてよいのか。あるいは、予算に響く可能性のある他の統計にも同様の問題がないのか。再度、予算の組み替えを行うようであれば、内閣全体の問題となるし、閣僚や総理の責任問題に発展するだろう」と述べた。