衆院予算委員会中央公聴会・西岡秀子議員

 衆院予算委員会中央公聴会が26日開かれ、公述人から意見を聴取し質疑が行われた。国民民主党からは午後の質疑を西岡秀子議員が行った。西岡議員は、主に法政大学キャリアデザイン学部上西充子教授に(1)政府提出データの不備が相次ぐことの根底にある問題(2)国会パブリックビューイング(3)常用労働者の定義から日雇い労働者を外したこと――について質疑を行った。

 昨年の国会審議で、安倍総理を始め加藤厚生労働大臣らが、平均的な一般労働者よりも裁量労働制の方が労働時間が短いと誤ったデータに基づき答弁していたことについて、政府が「不都合な事実」に向き合いたくないことが問題にあると上西教授は説明した。政府が都合の良い部分だけを見せる点は、毎月勤労統計の不正調査問題も同じだと述べ、事実に基づいて国会審議をするべきにも関わらず、「データを精査中」という答弁を続けて審議時間を浪費してきたことは、今の国会答弁と全く同じ構図であることを指摘した。

 こうした問題の解明の経緯を国民に知ってもらうことが必要だが、その機会は少ないと述べる西岡議員は、上西教授が「国会パブリックビューイング」を開催して国民に広めている活動に触れ、その内容について質問。

 上西教授によると、国会パブリックビューイングで国会審議の映像を見せて集まった人に解説することにより、野党が事実解明をするのにどれだけの苦労をしているのかを可視化できると説明。テレビ報道ではあたかも質疑と答弁がかみ合っているかのように編集がされ、新聞は事実だけが報じられるため、実際に国会審議を見てもらうことで政府・与党と野党のすれ違いを感じ取ってもらえると考えを語った。野党の苦労を可視化しないと、国会は正常化しないと所見を述べた。

 政府が2018年より毎月勤労統計の「常用労働者」の定義から「日雇い労働者」を外し、2018年の実質賃金が上昇しているデータが示されていることについて上西教授は、しっかりと推計する必要があると主張。実質賃金は実際にはマイナスではないかと主張する野党に対し政府が推計をしないことについては、「統計の精度を高めるのが大切だ」と政府が言っている以上は推計すべきと訴えた。

国会パブリックビューイングを説明する上西教授

国会パブリックビューイングを説明する上西教授