記者からの質問に答える玉木代表

記者からの質問に答える玉木代表

 玉木雄一郎代表は27日、定例記者会見を国会内で開いた。冒頭、玉木代表は次のように発言した。

○米朝首脳会談について

 ハノイで米朝首脳会談が始まった。北朝鮮の完全な非核化に向けた進展を期待するが、トランプ大統領が安易に妥協してしまうという懸念もあるので、その行く末をしっかりと注視をしていきたい。お金だけ出して核やミサイルが温存されることがないよう、しっかりとチェックをしていきたい。

○毎月勤労統計の統計不正の問題に関する特別監察委員会の追加報告書について

 結局、厚労省の担当室長をはじめ、部下に責任を押し付けて問題はないとする内容になっていて、極めて不十分かつ残念な内容。そもそも組織的隠ぺいの定義概念が多義的であって、確定的な定義がないので組織的隠ぺいには当たらないという説明になっており、組織的隠ぺいにならないための追加報告になっているような印象を受ける。

 ローテンションサンプリングの導入に関しても、いわゆるアベノミクスをよく見せるための政治的な意図を持って、そこに官邸が主導して行なったかどうかという点に関しては、官邸側に対する調査が不十分だ。衆参の力を合わせ、国会の中で引き続き厳しく調査をしていきたい。

 あわせて、従前からわれわれが求めている共通事業所ベースのいわゆる「参考値」の2018年の名目賃金上昇率(年率)と、物価を勘案した実質の賃金上昇率をいまだに出してこない。極めて不誠実だ。これは単に割り算か引き算すれば出るので、あらためて専門家を集めた検討会を立ち上げるまでもない。これも速やかに出すべきということをあらためて求めたい。

○アベノミクス自体の是非について

 先日の予算委における安倍総理との質疑では、少し大きな視点で構造的な問題に目を向けてほしいと申し上げるともに、家計重視の経済政策への変更を伴わないと、国民の懐が豊かにならないということも申し上げた。

 総理は日銀の資金循環表を見て、国民の資産が非常に増えていると胸を張って話されていた。確かに家計の資産は1829兆円と過去最高になっているが、問題はその中央値だ。家計資産の中央値は、悪夢だったという民主党政権下では450万円。安倍政権下では380万円で、実際には70万円近くダウンしている。ただ資産が全体としては増えているということは、無茶苦茶なお金持ちも増えているということ。だったらそこは金融資産課税を強化するなどしてならしてはと提案したが、総理は一切そういったことに関心がない。

 総理の頭の中に正しい問題意識ができていない。それは根っこの資料も間違ってるし、あの通りの頭で、あの通りの政策を進めて行くのだったら、いつまでたっても庶民は報われない、と強く思った。家計重視の経済政策ということをわれわれは強く訴えかけて行き、それを選挙の争点にしていかなければならないとあらためてこの前の審議で感じた。

 先日の予算委員会質疑で高齢者の貧困問題や消費増税の高所得者優遇などを取り上げたことについて、メールや電話を中心に大きな反響をいただいた。政府が戦後最長の景気回復だという一方で、生活の不安を抱え、あるいは少ない所得の中で一生懸命生きている方も世の中にたくさんいる。むしろそういった方々の方が多数であり、そこに向き合う、寄り添う政治が今求められているとあらためて感じた。